この世界、何かがおかしい

掃除という開運の科学

#連載エッセイ
#この世界、何かがおかしい

3つのボックスで人生を整理する

「1年ルール」と合わせて、掃除や整理整頓が苦手な人に私がお勧めしているのが「3ボックス法」です。

まず、大きく透明な収納ボックスを3つ用意してください。透明であることが重要です。中身が見えないと、結局「何が入っているかわからない箱」が増えるだけだからです。

そして、家の中で散らかっている物を、次の3つのカテゴリーに分けてボックスに入れていきます。まずは部屋に散乱しているものを何も考えずにどんどんぶち込んでいきます。

①よく使うもの(ほぼ毎日〜週1回使うもの)
これらは、すぐに取り出せる場所に配置します。リビングや寝室など、生活動線の中心に置くべきものです。

②月1〜2回使うもの
これらは、クローゼットや押入れなど、普段は見えないけれど必要なときには取り出せる場所に保管します。

③普段使わないけれど必要なもの(年1回程度使うもの)
重要書類など、頻度は低いけれど確実に必要なものです。

大事なのは、②③のボックスに入れたものについて、定期的に見直すことです。半年に一度、あるいは年に一度、②③のボックスを開けて確認してください。そして、1年間一度も使わなかったものは、思い切って処分しましょう。このプロセスを繰り返すことで、あなたの生活空間には「本当に必要なもの」だけが残っていきます。

すると、不思議なことが起こります。

部屋が物理的に広くなるだけでなく、頭の中も整理されていくのです。「あれはどこだっけ?」と探す時間が減り、「あれ、買ったっけ?」と同じものを2重に買ってしまうこともなくなります。これは、エネルギーの無駄遣いを減らし、本当に大切なことに集中できるようになるということです。

掃除は悟りへの近道である

ここまで、掃除と開運の関係を科学的な視点から説明してきました。しかし、最後に、もう一度スピリチュアルな視点に立ち返りましょう。世界中の宗教や修行の伝統において、掃除は単なる日常の雑務ではなく、悟りや覚醒への道として位置づけられてきました。禅宗の僧侶たちは、掃除を坐禅と同じくらい重要な修行と考えています。

それなぜか?

それは、掃除という行為が、究極的にはエゴの放棄につながるからです。
「汚いものに触りたくない」「面倒くさい」こうした感情は、すべてエゴから生まれます。掃除をするということは、このエゴに逆らって、「今、ここにある汚れ」に向き合うということです。過去を悔やむのでも、未来を心配するのでもなく、ただ目の前の汚れに集中する。この「今、ここ」に完全に集中する状態。これこそが、マインドフルネスであり、瞑想の境地です。

つまり、掃除とは、科学的には「神経回路の書き換え」「認知負荷の軽減」という効果をもたらしつつ、精神的には「エゴの放棄」「今この瞬間への集中」という、悟りへの道を歩むことでもあるのです。

一流の人ほど、家がきれい

最後に、私の個人的な所感をお伝えしたいと思います。

占い師として、私はこれまで多くの方々とお会いしてきました。その中には、各界で一流と呼ばれる方々も数多くいらっしゃいます。経営者、ミュージシャン、作家、医師、分野は様々ですが、彼らには一つの共通点があります。それは家が汚い人が一人もいないということです。

実際にご自宅にお邪魔させていただく機会も何度かありましたが、全員、例外なく家がピカピカで、整理整頓が行き届いています。これは偶然ではありません。成功している人ほど、自分のエネルギーを「本当に重要なこと」に集中させる必要があることを理解しています。そして、そのためには、日常の認知負荷を最小限に抑え、無駄なストレスを排除する必要があるのだと思います。

また、一流の人たちは小さな習慣の積み重ねが、大きな結果を生むということも知っています。掃除という小さな行為を毎日継続することが、継続する力そのものを鍛えるトレーニングになっているのだと思います。

逆に言えば、「いつか成功したら、まとめて家をきれいにしよう」ではなく、「いま家をきれいにすることが成功への第一歩」なのかもしれません。


赤井カラス。占い師。自身のことを占ったところ「大勢の人を占いなさい」という結果が出たため、2023年4月より紹介制を撤廃して活動開始。現在予約待ち2,000人以上。
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