「あの人はなぜこんなことをするんだろう」
「どうしてこんなにイライラさせるんだろう」
特定の人にイライラしてしまう経験は誰にでもあるものです。しかし、イライラすることは自分自身を苦しめる原因にもなってしまいます。では、このような特定の人へのイライラを上手にコントロールするには、どうすればよいのでしょうか？
この記事では、誰かにイライラしてしまう原因や対処法を解説しています。ぜひ最後まで読んで、イライラする気持ちをうまくコントロールするヒントを見つけてください。
目次
特定の人にイライラする原因
はじめに、特定の人にイライラする原因を見ていきましょう。
価値観が違う
人はそれぞれ、育った環境や受けてきた教育、生活習慣などによって異なる価値観を持っています。たとえば、時間にルーズな人と几帳面な人が一緒に仕事をする場合、約束の時間に遅れることへの考え方の違いから衝突が生じやすくなります。
また、仕事への取り組み方や、お金の使い方、生活習慣など、日常生活のあらゆる場面で価値観の違いは表れます。とくに身近な関係であればあるほど、その違いが目につきやすく、イライラの原因となりやすい傾向があります。
期待と現実にギャップがある
人は無意識のうちに、他人に対してさまざまな期待をしています。たとえば、「上司は部下を公平に扱うべき」「友人は約束を守るべき」といった期待です。
しかし、現実の人間関係では、これらの期待が必ずしも満たされるとは限りません。期待と現実のギャップが大きいほど、イライラは強くなります。
仕事で頑張ったのに上司から評価されなかった場合や、友人との約束が何度もキャンセルされた場合などに強いイライラを感じることがあるのです。
思い込みによる誤解
私たちは日常生活で、さまざまな思い込みや先入観を持っています。これらは経験や学習によって形成され、物事を素早く判断するのに役立ちます。しかし、時として思い込みが誤解を生み、特定の人へのイライラにつながることがあります。
たとえば、「あの人は自分のことを嫌っている」と思い込んでしまうと、その人の何気ない行動や言葉にも悪意を感じてしまいがちです。また、「若い人は責任感がない」といった固定観念を持っていると、若手社員の些細なミスにも過剰にイライラしてしまうかもしれません。
ストレスや疲労が溜まっている
日々の生活や仕事でストレスや疲労が溜まると、通常なら気にならないような些細なことでもイライラしやすくなります。とくに、家族・同僚・上司など、普段から関わりの多い人に対してイライラが向けられやすくなります。
仕事の締め切りに追われて疲れているときに、家族の何気ない一言に過剰に反応してしまったり、睡眠不足が続いているときに、同僚の話し方が気になって仕方がなくなったりすることがあります。相手に問題がなくても、自分の心身の不調が原因でイライラが生じている可能性もあるのです。
過去の経験と感情が結びついてしまう
人は過去の経験から学び、それを現在の判断に活かしています。しかし、過去のネガティブな経験が、現在の人間関係に影響を与えることがあります。これは「感情の転移」と呼ばれる現象です。
過去に厳しい上司に苦しめられた経験がある人は、現在の上司の些細な指摘にも過剰に反応してしまうかもしれません。また、幼少期に親から批判されることが多かった人は、パートナーの何気ない一言にも批判を感じてイライラしやすくなる可能性があります。
特定の人にイライラするときの対処法
特定の人にイライラしてしまったときはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、その対処法を紹介していきます。
- その場から離れる
- 深呼吸をする
- 他のことに意識を向ける
- 日ごろからストレスを解消してご機嫌な自分でいる
- イライラする原因を紙に書き出してみる
それぞれ詳しく見ていきましょう
その場から離れる
イライラしている状態で相手と接し続けると、感情的になって言動がエスカレートしてしまう可能性があります。そのため、「少し休憩します」「お手洗いに行ってきます」など、その場を離れる理由を伝えて、一時的に距離を置くことが重要です。
場所を変えることで気持ちが落ち着き、冷静に状況を見つめ直すことができます。可能であれば5分から10分程度、外の空気を吸ったり、静かな場所で休んだりしてみましょう。
長時間その場を離れることが難しい場合は、短時間でも構いません。数分間でも離れることで、心理的な効果が得られます。
深呼吸をする
深呼吸をすることで、自律神経のバランスを整えることができます。イライラしているときは交感神経が優位になっていますが、深呼吸によって副交感神経が活性化され、心身が落ち着きます。
具体的な方法としては、鼻から6秒かけてゆっくりと息を吸い、口から6秒かけてゆっくりと息を吐きます。これを3回繰り返すだけでも効果があります。深呼吸は周囲に気づかれずに行えるため、どんな状況でも実践可能です。イライラを感じたらすぐに深呼吸を心がけましょう。
他のことに意識を向ける
人間の脳は一度に複数のことに集中することが苦手です。そのため、イライラの対象から意識をそらし、別のことに集中することで、イライラを和らげることができます。たとえば、好きな音楽を聴いたり、趣味の本を読んだり、簡単な計算問題を解いたりするのが効果的です。
また、窓の外の景色を眺めたり、身の回りの物の色や形を観察したりするのも良いでしょう。これらの行動により、脳内でイライラに関連する部分の活動が抑制され、気分が落ち着きます。
日ごろからストレスを解消してご機嫌な自分でいる
ストレスが溜まっていると、些細なことでもイライラしやすくなります。そのため、日ごろからストレス解消を心がけ、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。効果的なストレス解消法としては、適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事などがあります。
また、趣味の時間を持つことや、友人との交流を楽しむことも有効です。自分に合ったストレス解消法を見つけ、定期的に実践することで、イライラしにくい心身の状態を作ることができます。
イライラする原因を紙に書き出してみる
イライラの原因を言語化し、視覚化することで、感情を客観的に捉えることができます。また、書き出す過程で自己分析が進み、イライラの本質的な原因に気づくこともあります。
具体的には、「誰の」「どんな言動が」「なぜ」イライラするのかを詳しく書き出します。書き終わったら、それぞれの項目に対して自分ができる対処法を考えてみましょう。この方法により、感情を整理し、冷静に状況を分析することができます。
特定の人にイライラする気持ちを消す考え方
ここからは考え方を変えてイライラする気持ちを抑える方法をご紹介します。
相手を変えることはできない
人は誰しも、長年かけて形成された価値観や習慣を持っています。そのため、他人の言動や考え方を、自分の思い通りに変えることは極めて困難です。むしろ、相手を変えようとする試みは、さらなるストレスやイライラを生む原因となってしまいます。
大切なのは、相手の個性や特徴を「そういう人なのだ」と受け入れ、自分の対応を工夫することです。相手を変えようとするのではなく、自分の考え方や接し方を柔軟に変えていく姿勢が重要です。
たとえどんなに親密な仲であっても、相手の心や考え方を変える権利までもらえるわけではないのです。
イライラする時間がもったいないと考える
イライラしている時間は、自分の貴重な時間を無駄にしていると思うようにしましょう。イライラは自分自身の心と体に大きな負担をかけます。その時間があれば、趣味を楽しんだり、家族と過ごしたり、自己啓発に取り組んだりと、より有意義に使うことができます。
嫌な相手を変えることはできません。しかし、自分の心の持ち方を少し変えてみると、イライラすることによるダメージを受け取らなくて住むようになるのです。
自分のために忘れる
イライラする気持ちを引きずって自分を苦しめるよりも、「忘れる」という決断をすることで、心を穏やかにすることができます。自分の心の健康を守るための積極的な選択です。しかし、そんな簡単に忘れられるのなら苦労しないという人も多いのではないでしょうか。
そんなときは、イライラの原因となる相手は、それほど自分のことを気にしているわけではないと思ってみましょう。たとえば、「今ごろパフェとか食ってる」とつぶやいてみると、心がスッと軽くなるはずです。
イライラを感じるものを見ないようにする
予測可能なイライラの原因は、あらかじめ避けることも有効な方法です。たとえば、特定の人とのコミュニケーションを必要最小限に抑えたり、イライラを誘発する状況や環境を回避したりすることで、不要なストレスを防ぐことができます。
SNSなど、見る・見ないの選択が可能なものは、意識的に距離を置いてみましょう。完全な回避が難しい場合は、短時間の接触にとどめるなど、関わり方を工夫することで、イライラを最小限に抑えることができます。
イライラするときは考え方を変えると気持ちが落ち着いて楽になる
特定の人にイライラしてしまうときの対処法や考え方をご紹介しました。さまざまな価値観を持った人がいるので、イライラしてしまうこともあります。ここで紹介した対処法や考え方を使って、貴重な時間を無駄にしないようにしていきましょう。
Jam著『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、この記事でも紹介したような、気持ちを楽にする考え方のコツが64個紹介されています。実体験を踏まえた内容でわかりやすく、漫画とともに解説されているので気軽に読むことができます。
ぜひこの本を手元に置いて、イライラしたときやモヤモヤした気持ちを引きずってしまうときに読んでみてください。嫌な気持ちが消え、自分を守れるようになるはずです。
