今は読めていない人のための読書案内

【読書術】本を日常生活につなげる読書術。年間300冊以上読む読書インフルエンサーが実践する本のインプットとアウトプットをつなぐ思考。

#連載エッセイ
#今は読めていない人のための読書案内

その①:要約「要するに」

インプットをアウトプットに変換する過程で、最も基本的な思考が「要約」です。

読書で得た情報を効果的に活用するためには、ただ読み流すのではなく、その内容を自分の言葉で要約することが不可欠になってくる。要約を通じて、情報を自分自身の頭の中で再構築し、理解を深めることで初めて、本に書かれていた情報が自分で活用できる知識となる。

たとえば、本を読み終えた後に「この本の一番重要なメッセージは何だったか」と自問し、その答えを本の内容を踏まえて自分なりの言葉で説明することにより、得た知識がより鮮明になる。逆に、ここで自問に対する説明が満足にできない場合は、理解が浅い・できていないということになるため、本の該当箇所を読み返して復習する。

〈要約を引き出す問い〉
・要するにどんな内容だろうか?
・どうすれば人に分かりやすく伝えられるだろう?
・著者が最も伝えたいことは何か?

〈具体的な行動アドバイス〉
本を読み終えた後に、本に書かれていた要点を3つ書き出してみましょう。そして、さらにその3つの要点に対して、箇条書きで2〜3個ずつの説明を書いてみれば、簡単に要約できます。その際に意識するのは〈要約を引き出す問い〉です。
(ちなみに、僕がInstagramを始めた時は、キャプションにこの要約文を書き連ねるだけの読書記録でした)

その➁:置換「自分なら」

次に、必ずしておきたいのは、本の内容を自分に置き換える「置換」です。

置換とは、読んだ内容をそのまま受け取ることではなく、自分の立場や状況に応用して考えることだ。本に書かれている内容は、科学的に正しいことであったり、著者自身の体験から見出されたことであったりするため、「本に書かれている内容=自分にピッタリの内容」であるとは考えにくい。そのため、本を読む際には、常に「自分ならどう活用するか?」という視点を持つことで、知識を自分の行動につなげることができる。

例えば、リーダーシップについて書かれた本を読んだとすると、その内容をそのまま職場に当てはめるのではなく、自分が直面している具体的な問題やチームの状況を考慮して取り入れることが必要になってくる。

さらに、実践する際には、すべての内容を実行しようとするのではなく、まずは自分にとって最も効果がありそうな部分を選んで試してみることがポイントだ。「この方法なら自分でも続けられそうだ」と思うものを優先的に実践することで、効果的に知識を活かすことができる。

〈置換を引き出す問い〉
・自分ならどうだろうか?
・著者と違って、自分は〜だと思う。
・自分の場合は、〜だった。
(~の部分を考える)

〈具体的な行動アドバイス〉
要約の際に作った3つの要点に対して、それぞれ自分が今すぐに実践可能な内容を具体的に考えて書き出してみてください。重要なことは、今すぐ実践可能なことを書き出すことと、それを今すぐ始めることです。何事も考え出してすぐがモチベーションが最も高いので、すぐにできる小さな行動を見つけて、すぐに取り入れてみましょう!

その③:連想「ということは」

ここからは少し発展的な内容です。

連想とは、読んだ内容を別の分野や状況に結びつけ、新しいアイデアや応用方法を見つけ出す考え方だ。本から知識を得たとき、それを自分の専門分野だけでなく、趣味や日常生活、さらには他の分野との関連を見出そうとすることで、その価値を横に展開することができる。

たとえば、学術書で学んだ生物の特徴を、仕事で取り組んでいる商品開発のデザインに応用することを考えてみる。実際に多くのデザインは生物の姿かたちにヒントを得ているらしい(カモノハシ→新幹線の形、ひっつきむし→マジックテープの構造など)。

このように、一見関係がないように思える分野を結びつけることで、新しい可能性を発見できる。また、読書中に出てきた一つのアイデアを起点として、「何か似ていることはないか?」と問いかける習慣を持つと、私生活においても自然に応用力が身につく。

〈連想を引き出す問い〉
・〇〇ということは、〜ではないだろうか?
・〇〇と、何か似ているものはないだろうか?
・あえて反対意見を取ると〜となる。
(〇〇は本の内容で、~の部分を自分で考える。)

〈具体的な行動アドバイス〉
本を読んでいるときに気になるキーワードや文章に出会ったら、後から見返せるように印をつけておきましょう(僕は付箋とドッグイヤーでつけています)。キリがいいところまで読み終えたら、その部分に立ち返り、〈連想を引き出す問い〉などを自問し、次々に妄想を膨らませてみて下さい。この時、本の内容から逸脱してもかまいません(逆に本の内容から離れれば離れるほどいいくらいです)。それをマインドマップのような要領で関係性が分かるように線や矢印を駆使して結び付けておけば、本から得られた知識の実用度が一気に高まります!

その④:深堀「そもそも」

最後に紹介するのが、深堀という考え方です。

深堀とは、読んだ内容の背景や本質についてさらに掘り下げていく考え方だ。読書で触れた情報に対して、「そもそも、なぜそうなのか?」と問いを立てて考えることで、より深い理解と洞察を得ることができる。たとえば、「成功には努力が必要」という内容が本に書かれていた場合、「そもそも成功・努力とは何か?」「なぜ努力が必要なのか?」といった疑問を掘り下げてみる。

深堀のプロセスを通じて、得た知識が単なる情報ではなく、自分自身の考えに基づいた価値ある知識へと変化する。そして、こうした深い洞察を持つことで、アウトプットの際に説得力や独自性が増し、言葉や行動に力を与えることができる。

〈深堀を引き出す問い〉
・そもそもどういうことか?
・なぜ?

〈具体的な行動アドバイス〉
連想の時と同じように、読んでいる最中に文章に印をつけ、キリがいいところまで読み終えたら、そこに立ち返ります。その際に、〈深堀を引き出す問い〉を自問し、一つのキーワードや文章に対して、自分の中で掘り下げていきましょう。この時、連想と同じく、本の内容から逸脱してもかまいません。

まとめ

インプットをアウトプットに変えるためには、以下の4つの思考を実践することで、インプットした内容が単なる情報で終わらず、活用できるアウトプットへと変換されます。

要約: 得た知識を自分の言葉で整理し、理解を深める。
置換: 自分の状況に合わせて知識をアレンジする。
連想: 他分野や日常に応用できる方法を考える。
深堀: 情報の本質を探り、より深い洞察を得る。

次に本を読むときは、このことをぜひ意識してみて試してみてください!

最後に少し余談になりますが、僕は、「読書は本との対話である」と言われる所以が今回書いたことにあると思っています。本に書かれている内容を通じて、自分で自分に問いを投げかけ、それに対して、自分の中でひとり言を話すかのように思考する。読書とは、このような著者に補助線を引いてもらいながら行う自問自答までを含めた行為を指すのだと思います。

本日は、以上となります。最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
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2000年8月2日生まれ。
2019年4月より、受験勉強で現代文の勉強をしまくったことがきっかけで読書にハマる。
2020年4月より、コロナウイルス流行で暇になったため、本を読む冊数が一気に増える。
2020年12月よりInstagram上で読書記録を目的としてInstagramアカウントを開設。
2022年3月頃から「自分を変えてくれた本と読書の魅力を広めたい」という想いで本の紹介へとアカウントの運用を転換し、「ちょっと知的な本紹介」というコンセプトで幅広いジャンルの本を紹介している。現在のSNS総フォロワー数は17万人を超える。
現在は、Instagram上の発信活動以外にも、Voicyパーソナリティや定期的な本のイベントの主催、本好きのためのコミュニティ運営など、活動の幅を広げながら、本と読書の魅力の発信を続けている。



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