「相談できる人がいない」「誰にも悩みを打ち明けられない」
このような理由から、悩みを一人で抱え込んでいる人は少なくありません。多くの友人がいても、悩みを相談できる人はいないと感じる場合もあります。
悩みを相談できないことで感じる孤独感や不安は、メンタル面や日常生活に深刻な影響を与えかねません。とはいえ、どうしたら相談できる人を見つけられるのでしょうか?
この記事では、相談できない原因や対処法について解説しています。ぜひ最後まで読んで、相談できる環境を手に入れてください。
目次
相談できる人がいないと感じる原因
相談できる人がいないと感じる原因について見ていきましょう。
自分の弱さを知られたくない
人は完璧な姿を見せたいと思うものです。弱みを見せることは、恥ずかしさや無力感につながると感じる人が少なくありません。とくに、周囲から強く見られたい、評価されたいと思っている人ほど、自分の弱い部分を隠したくなるものです。
自分の弱さを晒すことへの恐れは、プライドや自尊心と深く結びついています。「他人に弱みを知られたら、信頼を失うのではないか」「今までの自分のイメージが崩れてしまうのではないか」といった不安が、相談することを躊躇させるのです。
否定されたらと思うと怖い
相談することは、自分の考えや感情を他人に晒すことになります。そこには、「否定される」「批判される」というリスクもあります。
笑われるかもしれない、馬鹿にされるかもしれない、理解してもらえないかもしれないといった不安は、多くの人が持っているものです。とくに、過去に否定的な反応をされた経験がある人ほど、再び否定されることを恐れて、相談できにくくなります。
相手に迷惑をかけてしまう
多くの人は、自分の問題で他人の時間を取ったり、心配をかけたりすることを避けたいと考えます。日本社会では、「迷惑をかけない」ことが美徳とされる傾向があり、この意識が相談をためらわせる要因になっているからです。
たとえば、友人が忙しそうにしているときに相談を持ちかけるのは躊躇してしまいますし、家族に心配をかけたくないという思いから悩みを打ち明けられないこともあります。相手に迷惑をかけるくらいなら、問題を抱え込むことを選択してしまうのです。
相談をしたことにより嫌な経験をしたことがある
過去に相談して良くない結果になった経験があると、相談することに対して大きな抵抗を感じるようになります。たとえば、相談した内容が他の人に漏れてしまった、相手が真剣に聞いてくれなかった、適切なアドバイスをもらえなかったなどの経験があると、二度と相談したくないと思ってしまうでしょう。
とくに、信頼していた人に裏切られたり、プライバシーを侵害されたりした経験は、深い心の傷となり、誰にも相談できなくなる原因になることがあります。「また同じ目に遭うのではないか」という不安が、相談することを躊躇させるのです。
愚痴や悪口になりそうで言えない
誰かに嫌な思いをさせられたのでつらい、という悩みだと、それを相談することで愚痴や悪口を言っているようになるのを恐れ、誰にも言わないで抱え込んでしまう場合があります。
悪い言葉を言いたくなかったり、揉め事を減らしたかったりする気持ちが影響しているのです。また、「悪口を言う人」というレッテルを貼られることを恐れている場合もあります。
相手に不利なことを言うと悪口に感じることがあるかもしれませんが、起こったことをそのまま話すのは悪口ではありません。事実として伝えるという意識を持つと良いでしょう。
相談できる人を見つける5つの方法
ここからは、相談できる人を見つける方法を5つご紹介します。
- 信頼できる人を見つける
- 同じ課題を持つ人が集まるコミュニティに参加する
- SNSを活用する
- カウンセリングサービスや公共の相談窓口を利用する
- サードプレイスを活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.信頼できる人を見つける
身近な人の中から信頼できる相手を探してみましょう。批判することなく、共感的に聞いてくれる人がいればベストです。このとき、利害関係のない人を選ぶことが重要です。たとえば職場の悩みであれば、同じ部署の同僚よりも、別の部署の知人の方が適している場合があるからです。
しかし、信頼関係の構築には時間がかかります。いきなり深刻な悩みを打ち明けるのではなく、小さな話題から少しずつ相談してみることをおすすめします。
「今日の昼食、何を食べようか迷っているんだけど、どう思う?」といった軽い相談から始めてみましょう。相手の反応を見ながら、少しずつ相談の内容を深めていくことで、信頼関係を築いていけます。
2.同じ課題を持つ人が集まるコミュニティに参加する
同じ悩みや課題を持つ人が集まるコミュニティに参加する方法です。同じ悩みを抱えている人なら、あなたの気持ちを理解してくれる可能性が高く、相談しやすい環境が整っています。また、自分と似た経験をしている人からのアドバイスは、参考にしやすいはずです。
子育ての悩みであれば、地域の子育てサークルに参加する、仕事の悩みであれば、同業者の勉強会やセミナーに参加するといった方法があります。最近では、オンライン上のコミュニティも充実しているので、自分に合った場所を探してみるとよいでしょう。
3.SNSを活用する
SNSで自分の悩みや関心事をハッシュタグをつけて投稿すると、同じような悩みを持つ人や、アドバイスをくれる人とつながる可能性があります。SNSの利点は、様々な背景を持つ人々から多様な意見を得られることです。自分では思いつかなかった視点や解決策を見つけられるかもしれません。
ただし、個人を特定できるような詳細な情報は明かさないようにしましょう。また、匿名性が高いため、悪意のある人からの反応に遭遇する可能性もあります。「色々な人がいる」と考えて受け流すことも大切です。
4.カウンセリングサービスや公共の相談窓口を利用する
専門家に相談することで、客観的で専門的なアドバイスを得ることができます。カウンセラーは守秘義務があるため、プライバシーの心配もありません。また、感情的にならず冷静に話を聞いてくれるので、自分の問題を整理するのに役立ちます。
公共の相談窓口や、民間のカウンセリングサービスなどを利用してみましょう。多くの自治体や公共機関では、無料または低価格の相談サービスを提供しています。オンラインカウンセリングも増えており、時間や場所の制約なく専門家に相談できるようになっています。
最初は抵抗があるかもしれませんが、悩みを抱え込んで苦しくなるようなら専門家を頼ってみるのも一つの方法です。
5.サードプレイスを活用する
サードプレイスとは、自宅や職場以外の第三の居場所のことです。カフェ、図書館、コミュニティセンターなど、中立的な空間で出会う人々は、あなたの悩みに新しい視点を教えてくれる可能性があります。
悩みと直接関係のない人に相談することで、意外な解決策や新たな視点が見つかることがあります。利害関係がないからこそ、率直で建設的なアドバイスを得られるのです。
ただし、見知らぬ人に深刻な悩みを打ち明けるわけにはいきません。まずは軽い会話から始め、徐々に信頼関係を築いていくことが大切です。
相談できるようになるための心構え
実際に相談するときは、心の準備も必要です。相談しなければよかったとならないように、必要な心構えについて説明していきます。
相談することに対する心理的ブレーキを外す
この記事を読んでいるということは、相談することに対して様々な不安や抵抗感を持っている人が多いのではないでしょうか。「弱い人間だと思われたくない」「相手に迷惑をかけてしまうのではないか」といった思いが、相談をしにくくしているのです。
しかし、相談することは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、問題解決への積極的な姿勢の表れと言えます。誰もが完璧ではなく、時には助けを必要とするもの。自分の感情に正直になり、成長への一歩として相談を捉えることが大切です。
すべて解決すると思わないこと
相談したからといって、すべての問題が解決するとは限りません。相談は問題解決のための一つの手段であり、万能薬ではないのです。たとえ即座に問題が解決しなくても、相談することで得られるものは必ずあります。
また、一度の相談ですべてが解決しないからといって、諦めないことも重要です。複数回の相談や、異なる相手への相談を通じて、徐々に問題解決に近づいていくこともあります。相談は、新たな視点や選択肢を見つけるプロセスなのです。
最終的な決断は自分でする
相談で得たアドバイスを参考にしつつも、最終的な決断は自分で行いましょう。他者からのアドバイスや提案は参考にすぎず、必ずしもそのアドバイスに従わなければならないわけではありません。自分の状況を最もよく理解しているのは、他でもない自分自身だからです。
重要なのは、自分の責任で決断し、その結果を受け入れる姿勢です。相談をしてみることで自分では思いつかなかった解決策や新しい視点を得られたら、最後は自分で行動を起こし、決断することを忘れないようにしましょう。
どうしても相談できないときは自分の考え方を変えて悩みを消してみよう
今の悩みを相談したいと思っても、これから相手を探して信頼関係を築いていくのは大変なことです。相談できる人を探すのは続けながらも、「今」悩みをどうにかしたい場合は、自分の考え方を変える工夫をすると悩みが少なくなるかもしれません。
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