気温も落ち着き行楽シーズンを迎え、秋から冬にかけては人気イベントも多く行われる東京ディズニーリゾート(以下TDR)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)。
TDRはいわずと知れた、ディズニーという巨大なコンテンツのなかで、「ディズニーの世界観」を感じることができるテーマパークといえます。一方でUSJは「映画の世界観の中にあるテーマパーク」で、その名の通り、誰もが知る映画のアトラクションやショー等が並んでいます。
どちらも人気のテーマパークですが、それぞれのパークには独自のルールや知っておいたほうがより深く楽しめるものも多く存在します。今回はTDRとの違いを交えながら、USJをもっと楽しむために知っておきたいことについて触れてみたいと思います。
目次
クルーさんからの少しうれしいプレゼント
私が両パークで大きく違いが出ていると感じるのは、従業員の皆さんの個性。TDRでは「キャスト」USJでは「クルー」と別々の呼称になっています。
TDRのキャストは、その丁寧な対応やそのアトラクションやエリアに応じた設定を保ち、とても親切でなんでも教えてくれる「賢い優等生」といった印象。
対して、USJのクルーは「フレンドリーな友達」といった印象を受けます。パーク内を歩いているだけで気軽に話しかけてきたり、身に付けているものなどにも敏感に反応してくれます。
また、例えば誕生日。こちらはおなじみですが、キャストさんやクルーさんに一言いえばバースデーシールがもらえます。
ただ、こちらのシールがTDRと違うのは、USJでは裏側にあるQRコードを読み込むとオリジナルの特別なフィルターがゲットできること。この特別感もうれしいですね。
他にもUSJでは特に公式サイトでは書かれていませんが、その期間だけの特別なシールを無料でもらえることもあります。これもそのイベントや季節で異なるデザインでその時だけの思い出になりますね。
もちろんシールを付けていればクルーさんなどからお祝いのコメントがいただけることも。これはTDRでも同じですが、そこはUSJ。ある意味、「大阪のノリ」といえる部分もあるのかもしれませんが、そのお祝いの仕方はテンション高く、明るく賑やかにお祝いしてもらえます。
逆にTDRに慣れていると、少し戸惑うかもしれませんが、そんな会話もぜひ楽しんでみてくださいね。
原寸大のリアルな建物を散策する
両パークに数ある、リアルな街並み。作られた世界ではあるものの、その場所に実際に行ったようなリアルな造形は本当に感心しますよね。
ディズニーランドではワールドバザールやアドベンチャーランドなどでそんな建物を見ることができます。ディズニーシーの1920年代を中心としたアメリカンウォーターフロントのリアルな街並みは本当にその世界に入り込んだような雰囲気を感じることができます。
対して、USJでは例えば1930年代のニューヨークの街並みが広がる「ニューヨーク・エリア」。こちらは前述のディズニーシーのアメリカンウォーターフロントよりも少し後の年代。そのため、ディズニーシーよりも派手なネオンや電飾が目立ちます。同じニューヨークでも時代の違いを楽しむのも良いですね。
また、他にもハリウッド・エリアやサンフランシスコ・エリアなどにもこうした街並みが見られますが、USJの街並みの特徴としては、「実際の建物の原寸大のに近い」という特徴があります。
前述したように、USJはこうした街並みも「映画のセットの一部」という設定もあり、建物が実際の建物の原寸大に近い形で再現されています。
そのため、TDRでは建物が平面的である部分が多いですが、立体的な構造が多いUSJでは建物の裏側にまわったり、路地裏を探検したり……といった楽しみ方もできます。
いつもと違った映えAR写真を撮影する
ご紹介したように、ほぼ実物大の街並みであるUSJ。もちろんTDRにも、ディズニーランドのワールドバザールや、ディズニーシーのホテルミラコスタ周辺のようにリアルな場所も多くあります。
ただ、TDRの場合はその世界観を大切にするため、あくまでその質を保つことが主となっている印象があります。
対してUSJではさまざまな映画のワンシーンに登場する場所や背景などが多くあるため、必然的に映えやすいスポットが多くあります。
また、例えば「登れる階段」や「少し奥まで入れる建物の入口」「派手目なネオン看板」などが多く、加えて原寸大の立体的な建物があることによって、より多くの角度や構図で写真などを撮影することができるので、撮影に向いているスポットが多い特徴があるといえます。
また、意外と知られていないサービスとして、USJのアプリにはパーク内でアプリのARカメラを起動すると、画面にパークのキャラクターが登場し、写真を一緒に撮る機能があります。
そのエリアによって登場するキャラクターが異なりますので、いろいろな場所で楽しんでみてくださいね。
荷物が増えがちなテーマパーク散策に! 便利すぎるサービス
パークで目一杯遊びたいのなら、気になるのはやっぱり荷物。もちろん必要最低限のものをできるだけ少なめに持っていくのが最大のコツではありますが、そうはいってもどうしても荷物が大きくなってしまいますよね。
特に遠方からの場合ですと、アタッシュケースや手持ちのリュックやカバンなど、当然全てをパークに持ち込んで遊ぶことはできません。そんななか、TDRではコインロッカーは一度入れてしまうと、再度出し入れする際にお金がかかってしまいます。
しかし、USJのありがたいところは、その都度追加料金を支払わずに出し入れできるロッカーが1か所だけですが、パーク内にあるのです。(ワンダーランドレストルーム前。幅360mm×奥行425mm×高さ300mm)うまく活用すれば身軽に楽しめますね。
また、近隣ホテルに泊まる場合は、どこのホテルでもチェックイン前に荷物を預かってもらえるので活用したいところですよね。ただ、パークから距離があるホテルだと荷物を預けるのに困ります。
そこでありがたいのは、パーク内ではないですが、直結のユニバーサルシティウォークの中に「The Backstage DRESSING ROOM」という、貸ロッカー店舗があること。しかもロッカーだけでなく、メイクもできる更衣室があります。
ご承知の通り、TDRと違ってUSJは1年中仮装がOKなので、ここで着替えもして、荷物も預けてパークで楽しめるという、TDRにはないメリットがあります。
こうしたサービスを事前に知っているのと知らないのでは大違い。こんなところも活用してみてくださいね。
忘れたときの強い味方!モバイルバッテリーのレンタル
TDRもUSJもパークを楽しむためにはスマートフォンが手放せなくなりました。アトラクションやショー待ちの時間潰しも含めて、必須アイテムとなりましたが、困るのはやはり充電切れ。
そんななか、TDRでもUSJでもモバイルバッテリーのレンタルサービスがあります。この非常に便利なサービスは「ChargeSPOT」。ありがたいのは“どこでも借りられて、どこでも返せる” ということです。
返却は借りた場所ではなく、同じ会社のスロットならば全国どこに返却してもOKです。最近は主要コンビニや大型施設には必ずあるといっても過言ではないでしょうね。
しかし多くの方が「自分でモバイルバッテリー持っているから大丈夫!」と思われているかもしれません。しかし、充電されていると思って使い切ったまま持ってきてしまったり、意外と使い切ってしまいそう……となることも。
また、意外に多いのが、「バッテリーはあるけど、ケーブルを忘れてきてしまった!」という場面。(私はよくやってしまうんですよね……)その点、この「ChargeSPOT」がありがたいところは、バッテリーのコードが3種類付属しているところ(Type-C・iOS・Android)。
特にアトラクションやショー待ちであまり大きく動けない場合も多い両パーク。そんな時には非常に助かりますね。ただ、注意したい点もいくつかあります。誰でも気軽にいつでも使えるのですが、事前にアプリをインストールする必要があるので、充電が完全に「0%」では使用できません。
もしもの時のためにアプリを事前にインストールしておくことをおすすめします。また、容量は5000mAhで、一般的なスマートフォンなら「約1.5回程度の充電」ができます。1日朝から晩まで使う場合ですと、やや少ないので注意しましょう。
そして気を付けたいのが「貸出可能な在庫が近くにあるかどうか」ということ。アプリ上では在庫状況がすぐ確認可能ですが、近くのスポットに在庫がないこともありますので、充電残量は余裕を持って借りるようにしましょう。
また、逆に意外と気にしないのが、返却時。全国どこでも返せますが、返そうと思った場所のスロットが埋まっていると当然ですが、返せません。もちろん、その経過分の時間分も料金が発生していくのでご注意を。
色々便利なサービスではありますが、完全に頼らず、「自分のモバイルバッテリーも持って行き、臨時的・緊急的に使う」のが一番いいと思います。
事前に漫画やアニメで予習したらさらに楽しめる!
2つのパークですが、大きな違いのひとつ。TDRには絶対できないUSJの強味として「アニメ等とのコラボレーション」があげられます。
言うまでもなく、TDRは、ディズニーという、世界的な巨大コンテンツのなかで、そのクオリティと個性を生かすため、制約が多い部分があります。
そんななかで、ご承知の通り、USJでは人気アニメなどとのコラボレーションが度々行われ、「今」の人気コンテンツを幅広く積極的に取り入れていくという特徴があります。
シンプルな楽しみ方ではありますが、こうしたコラボを思いっきり楽しむのもおすすめです。例えば見たことのないアニメなら、行く前に見てみる、漫画を読んでみる……と非常にシンプルではありますが、そうすることで楽しみ方は何倍にもなってきます。
また、USJでは通年仮装がOKですので、その作品のキャラ等に仮装(ワンポイント仮装でも)することで、前述したクルーとの会話や楽しみ方も広くなってきます。
こうした楽しみはTDRではなかなか味わえないもの。筆者自身もそうでしたが、それまで知らなかった作品を知ることができ、それをきっかけに「好き」の幅も広がりましたので、そんな楽しみ方もおすすめです。
楽しみ方に出資は必要! 予算はTDRの2〜3割増しを覚悟
そして忘れてはいけないのが予算との兼ね合い。シンプルにフードやグッズ、お土産等の価格はTDRよりもUSJの方が2〜3割高く感じます。
ただ、価格と質のバランスについてはその商品などに係るコストなども含めると、単純にどちらが良い……とは言い切れない部分もあります。
わかりやすい例でいうならば、TDRでは昔から100円の「スーベニアメダル」。こちらはUSJではなんと倍の200円。
他にも人気の食べ歩きフード「チュロス」。TDRでは一般的なものは400〜500円程度のところ、USJでは、コラボ商品にもよりますが、700円〜とかなり高めの価格設定です。その他、一般的な食事でも全体的にかなり高めに感じます。
出費は痛いところではありますが、USJではTDRにはない、それに応じた特別な体験ができるのも大きな魅力のひとつ。
例えばハリー・ポッターのエリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター™」では、映画の出演者たちとほぼ同じコートの(ローブ)を着て、魔法の杖で炎や水を出したり、スーパー・ニンテンドー・ワールド™では、パワーアップバンドを手につけてスマホにコインが溜まり、特定の条件を達成すると、またさらに別の体験が……といったこともできます。
かける出費以上に体験ができるのは間違いないので、ぜひチャレンジしてみてください。
頻繁に行くなら……クレジットカードのチョイスも重要
現代のショッピングやパークでは欠かせないクレジットカード。せっかくパークで使うのならば、できれば何かお得なサービス等があったほうがいいですよね。
USJで有効なのが「イオンカード」。もちろんどこのクレジットカードでも基本的にはパーク内でほぼ使えますが、「イオンカードセレクト(ミニオンズ)」でパーク内で買い物をした場合、ポイントが10倍(税込み200円ごとにWAON POINTが10ポイント)になるサービスがレギュラーとして行われています。
TDRでも「ディズニーJCBカード」を使うとポイントが付与されますが、還元率が200円で1ポイント付与。正直言って還元率はあまり良くありませんので、むしろ他のクレジットカードの方がお得になる場合もあります。
また、USJのオフィシャル・マーケティング・パートナーであるイオンカードはポイントを貯めてスタジオ・パス(パスポート)に交換することもできます。
さらに、ただ単にパスポートに交換するだけではなく、交換したパスポートにプラス代金を払って年間パスポートにすることもできる(現地で入園後に手続きが必要)という、実は隠れたお得があるカードなのです。
イオンカードは普段使いされている方も多いと思いますので、ぜひお持ちの方は検討してみてくださいね。(各クレジットカードの特典対象カード等は事前に公式サイトなどでご確認ください。)
ファンのための「#USJファン」
他にも「TDRにないUSJならではのサービス」として、「#USJファン」という仕組みがあります。これはその名の通り、パーク好きの方がX(旧ツイッター)やインスタグラムで、ハッシュタグを使ってコメントをするもの。
USJのサイトにメールアドレスやSNS(Xかインスタグラムどちらか、又は両方)のアカウントを登録し、「#USJファン」のタグをつけて投稿します。
するとその数に応じてポイントが加算されていき……【シルバー】→【ゴールド】→【クリスタル】→【ダイヤモンド】の4段階のランクに上がっていきます。
各ランクに認定される条件は、「登録した時点でシルバーランク」「100ポイントを貯め、USJに関する問題に合格すればゴールドランク」「3,000ポイント貯めればクリスタルランク」……となります。最高位のダイヤモンドランクは、USJ公式から選ばれることが必要ですが、明確な選考基準は明かされていません。
この仕組みのおもしろいところはランクに併せて、色々な商品が当たったり、各季節イベントのプレビューの事前招待などがあること。もちろん全ての方が当たるわけではありませんが、こうした部分も楽しみのひとつですね。
SNSでつながるゲストとパーク
また、ちょっと変わった角度からのパークの楽しみ方で、USJの特徴のひとつでもあるのが、「パークの公式がゲストのSNSもよく見てくれている」ということ。
これは監視しているという意味ではなく、ゲストが楽しんでいる様子をパークも随時確認してくれているのです。これはTDRにはない部分ですが、USJの公式アカウントがゲストの投稿に対して「いいね」を押してくれることがあるのです。私の投稿にいいねが押されたときは本当にびっくりしました!
また、もっと驚くのは、パークを楽しむ姿や美しい風景などを投稿した場合、USJ公式アカウントから正式なダイレクトメールでのオファーが来て、その画像を公式サイトやブログなどで使ってもらえることがあるということ。これはうれしいですよね。
また、例えばグッズ販売などで初日に大きなトラブルがあったりすると、翌日にはそれが修正されていることもあるなど、「パークとゲストの距離が非常に近い」と感じられる部分があります。
こちらはすぐ使える楽しみ方ということではないですが、パークの公式アカウントなどをフォローして、前述の#USJファンにも登録しておくと、より楽しめるかもしれませんね。
以上、お伝えしてきた東西を代表するテーマパークのTDRとUSJ 。どちらが良い……という話ではなく、それぞれがお互いに持っていない魅力や個性があります。
もちろんそれぞれを個々で楽しむのはもちろんですが、ご紹介したような違いについても知っておくことで、さらなる楽しみやそれぞれの個性をより深く知ることができるかもしれません。ぜひそんな違いも探してみてくださいね。
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(画像提供:iStock.com/praetorianphoto/Caiaimage/Martin Barraud/ollo/MarioGuti/Satoshi-K/O_Lypa/tupungato/takasuu/Farknot_ArchitectKar-Tr/gilaxia/Kar-Tr)
みっこ 約18年間、東京ディズニーリゾートに通う「Dヲタ」。 東京ディズニーリゾートについての裏技や雑学を紹介しているブログ「TDRな生活」で、合計約4500記事、約18年間更新し続けている。ショーやパレードの鑑賞よりも、パークの細かな雑学や物語が大好物。普段は普通の社会人。WEBライターとしても活躍。TV番組への情報提供や、雑誌・週刊誌のディズニー系情報の執筆や取材同行、攻略系ブログ「TDRハック」の執筆にも参加。 著書に『ディズニーに行く前に知っておくと得する66の知識』(文響社)、『ディズニーの待ち時間を劇的に減らす方法』『ディズニーがもっと楽しくなる魔法のトリビア』(KKベストセラーズ)、『ひとりディズニー50の楽しみ方』(サンクチュアリ出版)など。