「いまの職場で長く働いているけど、できれば転職して新たなキャリアを歩みたい…」と考えていませんか?転職に年齢は関係ありませんが、歳を重ねるごとに選択肢が狭まってしまうのが現実なので、40代が最後のチャンスだと考える風潮もあります。
転職したからといって、必ず満足できる職場に行けるという保証はないため、後悔しないためにも、しっかり検討してから決断することが大切です。
そこで、この記事では、仕事を辞めても後悔しないための判断基準を解説しています。40代で会社を辞めたいと思う理由や、辞めるなら確認しておきたいポイントともに、ぜひ参考にしてください。
目次
40代で仕事を辞めたいと考える5つの理由
自分がどうして辞めたいと思うのかを明確にすることが大切です。ここでは、仕事を辞めたいと思うおもな理由を見ていきましょう。
1.仕事での疲労やストレスでつらい
40代になると、管理職になったり、責任のある仕事を任されたりして、プレッシャーを感じる場面が多くなりがちです。部下とのコミュニケーションを取ることが重要な立場になり、数値目標を達成しなくてはならないなど、重圧のある仕事も増えてきます。
また中間管理職という立場なので、上司と部下に挟まれるなど、人間関係に疲弊しているのに、仕事の責任は大きくなるのでストレスは溜まる一方です。年齢的にも体力が衰え始めるので、疲れが取れないままギリギリの状態が続くと「辞めたい」という気持ちが湧きあがります。
2.仕事に対する不安や不満がある
勤続年数が長くなると、会社の内情がわかってきます。倒産やリストラなど、会社の将来に不安を感じると、40代のうちに何か行動を起こさなければというあせりがでてくるでしょう。
また、長い間頑張っているのに、評価されないと感じると会社に対して不満が生じます。周りと比べて収入や待遇に不満があったり、自分の力が発揮できていなかったりすると、キャリアアップや収入アップのために転職を考えることもあるでしょう。
3.体力や家族の事情など40代ならではの悩みがでてくる
体力が落ちて長時間労働や休日出勤がつらくなったり、介護など家族との時間が必要となったりして、今まで通り働くことが厳しくなったことで、仕事を辞めてしまいたいと感じます。
特に、健康面での心配が出始めやすいころでもあります。自分のことだけでなく、子どもの成長や進学で慌ただしくなったり、両親の世話をする必要が出たりと、仕事だけに注力できなくなります。これらの要因が重なり、残業が少ない仕事や精神的にゆとりをもてる職場に転職したいと思うのです。
4.仕事とプライベートの両立が不可能な状態である
仕事の責任が増え、子育てや介護もこなす必要に迫られることが多いのが40代。仕事と家庭の両方で問題が発生してしまうと、自分の時間どころではありません。精神的にも身体的にも疲労が蓄積していきます。
長時間労働や休日出勤、思うように休めない状況では長く続けることが困難になります。自分の時間もとれず、ストレスはたまるばかり。限界を感じ、仕事を辞めたくなってしまう方は多いです。
5.将来に対する疑問や迷い
人生も後半戦に突入したと思うと、このままでよいのだろうかという迷いが生じやすくなります。40代が転職したり、人生の方向転換をしたりできる最後のチャンスだと感じるためです。
特に、若い頃にやりたい仕事を選べなかった人や、今の仕事に興味を持てない人は、まだ体力の残る40代のうちに行動をしたいと考えます。
40代で仕事を辞めても後悔しないための判断基準
仕事を辞めたいと思っても、キャリアや家族のことを考えると簡単には辞められないのが現実です。ここでは、辞めても後悔しないための判断基準をみていきましょう。
辞めた後にどうなりたいのかが明確
なんとなく辞めたい、不満があるなどマイナスな感情で辞めてしまうのは危険です。たとえば、収入に不満があるからという理由だけだと、収入面のみで次の仕事を決めてしまいやすくなります。
結果、収入は上がったものの長時間労働だったり、やりがいを持てない仕事で嫌気がさしたりしてしまいます。そこで自分がどうなりたいのか、何をしたいのかが明確になっていると後悔が少なくなるでしょう。
目指す姿がわかっていれば、これまでのキャリアを活かしつつ、不足しているスキルを補うなど計画的に進めていくことができます。夢の実現や理想の働き方を手に入れられる可能性が高くなるでしょう。
年収や労働環境だけでなく、自分が理想とする姿をしっかりと持てていれば後悔することも少なくなります。
人間関係の悩みが改善せず、心身の健康を損なっている
上司から不当な扱いを受けているなど、人間関係がつらく、心身に影響が出ているようなら早めの対策が必要です。取り返しのつかないことになる前に環境を変えた方がよいでしょう。部署移動などで環境を変えることもできますが、同じ会社内であれば移動した部署でも影響が残ることは考えられます。
追い詰められていると正しい判断ができなくなっていることもあります。社内外問わず信頼できる人に相談し、心身ともに休めてコンディションを整えることを優先させましょう。
長時間労働で生活に支障をきたしている
残業や休日出勤が続き、心身ともに疲れ切っている場合は、仕事から離れることが大切です。特に1ヶ月で100時間以上の残業は過重労働にあたり、健康被害のリスクも高まります。上司に相談し、改善されないようなら自分を守るという判断が必要となるでしょう。無理をして倒れてしまっても、会社は健康を返してはくれません。
ボーナスが支給されないなど会社の財務状況が悪化している
給料が減額されたり、経営陣が次々と辞めていったりするような状況になっていると、会社が倒産する恐れがあります。倒産まではしなかったとしても、経営状況が悪いと頑張って働いても収入が減らされてしまうことになるでしょう。辞めることを前提にして転職活動を始めた方が賢明だといえます。
実際に倒産してしまったら、失業保険をすぐに受け取れるなどの利点もありますが、給料が支払われない可能性もあるので注意しましょう。
介護が必要だが、介護休業を使い切った
仕事を辞めたいと思う理由が介護なら、介護休業を利用することができます。育児介護休業法では対象家族につき93日の休業が認められています。そのほか、会社独自の制度がある場合もあります。
しかし、介護休業を使い切ってしまっても介護が終わるとは限りません。そのまま続けていても仕事に支障が出るのであれば、勤務時間に融通のきく仕事や理解ある職場環境を探した方が精神的にも落ち着くかもしれません。
40代で仕事を辞める前に、必ず確認しておきたい4つのポイント
40代で仕事を辞めるのは大きな決断だといえます。ここでは、後悔しないために確認しておいてほしいポイントを説明していきます。
半年から1年は暮らせるくらいの経済的な準備はできているか
少なくとも半年~1年は、収入がなくても暮らしていけるくらいの貯蓄が必要です。家族がいたり、家などのローンがあったりする場合はそれも含めて必要な額を計算しておきましょう。転職先が決まっていたとしても、次の仕事が安定するまでは気が抜けません。
40代は子どもの教育資金や介護などで大きな額のお金が必要になる可能性があります。経済的に余裕を持てるように準備しておくと安心でしょう。
心身の健康状態はどうか
自分が思っているより心身が疲労している場合があります。長時間労働や人間関係のストレスにさらされていた場合、正しい判断ができなくなっているかもしれません。気持ちが落ち込み、何もやる気が起きないほどになると重い病気の可能性も出てきます。
心身が追い詰められていると自分では気づけていないこともあります。仕事を辞めるだけでなく休職も含めて回復することを最優先に考えましょう。
家族の理解を得られるかどうか
40代になると、仕事を辞めることで家族に影響が出てしまうことも考えられます。収入が減り、生活水準の低下や進学の妨げになってしまうと家庭不和の原因にもなってしまうでしょう。
辞める理由とその先の目標が明確になっているのなら、丁寧に説明することによって納得・応援してもらえることも可能です。家族がいるならきちんと話し合って理解してもらうことが重要になります。
将来へのビジョンを具体的に決められているか
理想とする自分の姿を明確にし、そのためには何が必要なのかを具体的にしておきましょう。自分の可能性に挑戦するため・時間にゆとりのある働き方を優先したい・ストレスから解放されたいなど理想は人それぞれ。企業に就職するだけでなく、起業や開業をするという選択もあります。
しばらくは貯金でまかなえたとしても、その先は収入なしでは生活していけません。辞めてしまうと収入の不安から妥協してしまいがちです。辞める前にしっかりと将来のビジョンを決め、情報収集などの準備を進めていきましょう。
仕事を辞めるかどうかは生涯設計を考えるチャンスと思って前向きに考えよう
40代になると仕事の責任も増し、やりがいを持って働けるようになります。しかし、仕事での終着点が見え始め、将来についてこのままでいいのかと不安や迷いを感じ始める人もいるでしょう。
仕事を辞めたいと思ったら、生涯設計を考えていくチャンスだと思って自分を見つめ直してみるといいかもしれません。衝動的に辞めるのではなく、目的を明確にして前向きな行動をしていきましょう。
Jam氏のチョソYouTubeの『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、仕事やプライベートで張り詰めた心を癒してくれる考え方がマンガとともに紹介されています。仕事を辞めたいと思って生活していると悲観的になりやすいもの。この本を読んで気持ちが楽になれれば、自分の将来に希望が見つけやすくなるかもしれません。