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セルフブランディングで自分を最高値で売る方法/小林正弥

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副業が事実上解禁となった昨年。パラレルキャリアを持つ考え方も加速していく世の中で、2019年に自分の最高値を更新するには。自身最安値=時給900円のどん底から起業し、1億円プレイヤーになった小林正弥の『自分を最高値で売る方法』をご紹介します。

パッケージを変え自分を最高値で売る

その働き方自体、安売り?

まず、ストレートな表現かもしれませんが、会社員の方や、1、2社専属のフリーランスの仕事をされている方は、その働き方自体が安売りになっていませんかという僕の問題提起があります。

僕自身、自分が一番最安値の時は時給900円の皿洗いのアルバイトをしていました。そこから1カ月でここでお伝えするやり方で年間1億円以上を稼ぐ人間になりました。

けれども、その1カ月前と1カ月後で僕自身の能力が劇的に変わった訳ではありません。僕自身の商品パッケージの仕方、値段の付け方、売り方が変わったのです。
自分という素材を、時給900円として売ることもできるし、年間数千万円の報酬を受けられるようにもできる。ラッピングの仕方によって、経済的、時間的に大きな開きがあるということなのです。

会社員、フリーランスは安売り

なぜ安売りなのかという理由が3つあります。
まず、時給・月給で働いているということ。そこには既に、誰がいても会社が時給・月給を払える仕組みがもうあるのです。自分の人生という時間を切り売りしながら働くのは、替えの効く存在として自分を安売りしています。
次に、1社専属で働くこと。僕自身も正社員として働いていたときは、会社と働き手は厳密には対等だと思っていましたが、実際には対等の関係というのは難しいです。複数の収入源なくして、雇用主の依頼を断ることは難しいでしょう。家族やパートナーとの大切な約束をキャンセルしてまで残業した時点で、自分を安売りしています。雇用主と従業員という主従関係が成り立ってしまうのです。
3つ目が出社を前提にすること。移動時間そのものには価値がありませんので、往復1時間で、月20時間、年間240時間になります。年間240時間もの一生取り戻せない時間を消費してしまう訳ですから、出社を前提にするのも自分の時間をロスしてしまうことになります。

このように、時給・月給で働く、1社専属で働く、出社を前提とするという働き方だと、みなさんの能力よりも安く自分を売ってしまっているのではないか。
それで喜ぶのは、雇用主(オーナー)です。人件費というものを仕入れて、付加価値の高いラッピングをして売っている訳です。
みなさんが安く働いてくれたらオーナーは嬉しい。ではみなさんの人生はどうなのでしょうか?

自分を最高値で売るには、この条件を反転させればいい訳です。著書『自分を最高値で売る方法』で提案した働き方革命とは、時間ではなく価値で報酬を受け取り、複数の顧客と契約をして、移動を前提とせずに働くという働き方です。

実践、働き方革命

僕は1回の仕事が自分が死んだ後も価値を産み続けてくれるようイメージして仕事をしています。
本をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。買ってもらえれば印税が入ってきます。動画も、専用のプラットフォームに載せて買ってくれる人がいたら、フィーが入ってきます。一方で、僕は本日の1時間半のセミナーで時給900円を下さいと言ったら、その後は0円です。時間ではなくて価値で報酬を受け取れるようにしておけば、時間差はあっても報酬が無限に上がっていきます。

2つ目が複数の顧客と契約をする。1冊の本を出すと読者の数が増えるほど、上限なく印税を受け取ります。儲かるビジネスというのは、全く知らない人から毎日お金が入り続けるのです。日本のお金持ちといえばソフトバンクの孫正義さんが思い浮かびますが、全国にとどまらず世界中の人達が継続的に通信費を払い続けてくれています。このように、どれだけたくさんの顧客と契約ができるかということが、経済的自由のポイントになります。同時に、特定の顧客に依存しなくてよいので、精神的自由も手に入るのです。

もう1つは、移動を前提とせずに働く。僕自身もこうしてセミナーなどに参加することはありますが、2017年、2018年は生産性(時間あたり収入)を極大化しようと、引きこもっていました。なぜかというと、世界一周旅行をしようと妻と約束をしていたからです。自分がどこにいても、世の中の複数のお客様に価値を提供するために引きこもっていたのです。その結果、現在は月の半分は海外に旅行に行っていますが、その間も報酬をいただけています。先日は南米に2週間滞在しましたが、地球の裏側にいても、お金を受け取れるのです。

どうして僕のように普通のサラリーマンどころか、日雇いのバイトをしていた人間がこうなれたのか。僕は「学校偏差値は高かったとしても商売偏差値は30だ」とある人に言われてショックを受けたことがあります。そういう僕でも、自分のキャリア市場ではそれなりに最高値を更新し続けていられるのは、この3つを兼ね備えた教育型のビジネスをいろいろと作っているからなのです。では教育型ビジネスとはなんでしょうか?

あらゆるビジネスが教育化する

競争力を高める新しい経営コンセプト

2017年9月号の『日経トップリーダー』(日経BP社発行)という中小企業向け雑誌で「あらゆる業界の企業は教育化する」という特集が組まれました。競争力を高める新しい経営のコンセプトが教育化であるということです。
次の図の左側は、本業です。右側は教育型のビジネスです。本業の方は自分の時間の切り売りになっている場合もありますが、このダブルインカムでやっていきましょうというのが僕が行っている教育型ビジネスの構築サポートです。

進化した教育の時代

今後、教育というのはもう一段進化していくと思っています。ダイエット、英語、ゴルフ、料理、子どものトレーニングなどにおいて、これまで受けていた教育というのは何かを解釈する知識でした。こんなに世の中にダイエットと語学の本があふれているのに、なぜ痩せられない人、話せない人がいるのか。知識では目の前の現実を変えられないということに、多くの人が気付くようになりました。そこにはあまり価値が認められなくなってきたのです。

今は、一段高い要求が求められている。つまり、結果を出すということです。
ライザップが象徴的です。ダイエットのノウハウはYouTubeなどを見ればだいたいわかる。なのになぜ、結果にコミット型のビジネスに30万円、40万円というお金を払うのか。知識は無料でも、結果を出すことに人は高額なお金を払うということなのです。
僕自身も、知識はどれも似通ったものであるか簡単に模倣されるものと思っています。だから、結果を出すことに重きを置いています。人生において結果を出して、それに対してフィーをもらうというしごく全うなやり方をしています。

しかも、結果にコミットするのはあなたではありません。それでは教育ではなく、単なる代行。お客様が自らの意思で結果を出してもらえるような仕組みが大切です。

ダイエットもビジネスも同じことです。ダイエットも摂取するカロリーより消費するカロリーが多ければ痩せる。ビジネスも、入ってくるお金の方が出ていくお金より多ければお金が積み上がっていく。
こういった明確な結果を定義して、それを実現するプログラムを作ることができれば、ダイエットもビジネスもそれなりに一定の結果が出せるというのが、僕自身のフレームワークです。
カスタマーサクセスフォーミュラーという成功の方程式を作って、それを顧客に当てはめていくことで、教育型のビジネスを作っていただいています。

教育型ビジネスを構築する究極の3ステップ

ステップ1 圧倒的な売れるコンセプトを作る

では、この教育型ビジネスを構築するにはどうしたらよいのか。1つ目のステップはコンセプト作りです。ポイントは上の図の4つの円のここを射抜くことです。時代とは教育型のビジネスの潮流のことです。インターネット、動画の時代に教育型のビジネスというのはとてもマッチしています。
さらに、お客様がどこかに払っているという、お金の流れを特定するのは大事です。ビジネスで唯一お金を払ってくれる人は、純粋に考えるとお客様しかいません。銀行はお金を貸してくれるだけです。お客様は、カスタマーサクセス(顧客の成功)を得るために、どこかにお金を払っているわけです。お客様はお金を払いたくないのではなくて、望むものを叶えるためにお金を払いたいのです。なるべくいい買い物をしたいと考えています。
その人達に、選ばれる理由を作ってあげたらいい訳です。それが考えるコンセプトです。競合よりもいいな、高額を払ってもいいなと選ばれる理由というのを作るということなのです。

例えば、ライザップに通っているお客様がいたとして、潜在的に通うのが嫌だな、筋トレは嫌だな、リバウンドしたら嫌だなというお客様がいたとします。そういうとき、通いなし、運動なし、リバウンドなしというコンセプトが出せたなら、ライザップよりも自分のダイエットのプログラムにお客様が来てくれるかもしれません。このように、まず商品や集客を考える前に「選ばれる理由」を考えるということなのです。

このとき、現状の能力なんて考えなくていいのです。それは、後から足していけばいい。選ばれる理由を作ったら、それを叶えている人のところに学びに行けばいいのです。自分が何で選ばれて高額を払ってもらうのかというポイントを決めないと、実は何も始まりません。これがなかったら、最高値の戦略という意味では、何も考えていないのと一緒です。

ステップ2 高額×長期継続の教育型ビジネスを作る

僕の場合は、オンライン上に自分の分身を作って、知識提供はオンライン上でしています。時間を使っているのは、結果を出すためのフィードバックやサポートです。そのため、選ばれる理由をきちんと満たせるようなプログラムになるのです。僕のところに学びに来た人の中で、すぐに100万円を突破するのはこういう人です。例えば、元々安売りしていた英語の先生です。

よくカフェなどで1レッスン5,000円とかで教えている英語の先生がいらっしゃると思います。縦と横を掛けた面積が売上だとすると、1レッスン5,000円の場合の面積はとても小さいです。僕はその人に、継続期間が長くて、単価が高いプログラムにしましょうと提案しています。
例えば、3カ月でTOEICが800点以上になるとか、話したい英語がぺらぺらになれるプログラムなど、相手の高次の欲求(カスタマーサクセス)を捉えるのです。移動前提で、ただレッスン時間を売る1回5,000円のレッスンより、お客様の結果を約束するプログラムは高単価で長期継続になり、面積が全然広くなります。理想は年間契約など長期であるほどよいです。多くの場合、売上は確定しないけど、経費は確定します。なので、年間の経費より高い売上面積を先に作りましょうというのが僕の提案していることです。

ステップ3 自動的に売れていく仕組みを作る

このプロセスを自動化しています。僕のファンの定義は、結果の出たお客様。通常、顧客化までに目が向き過ぎていて、目の前のお客様の結果を出すところに時間を割いていません。お客様の結果を出し、ファン化するところまでいかないから、ビジネスが先細ってしまうのです。マーケッターと呼ばれる人は、顧客数などを最終目標に置きがちです。

でも僕は、顧客数の獲得はスタートであると自分に自戒を込めて設定しています。顧客化までは自動化しているので、僕の提案する教育型ビジネスはお客様の結果を出すことに注力ができます。
そして、お客様の結果を出すことで、リピートと紹介が生まれ、お客様と売上が積み上がっていきます。こういうモデルを最速で作りきるということです。ここまでできれば、お客様を追いかけることなく、選ばれるようになります。

教育型ビジネス成功のマインドセット

思考をアップデートする

教育型ビジネスの基本モデルを作る方法をご紹介しましたが、マインドセット(考え方)
も大切です。マインドセットはPCで言うところのOS(オペレーティングシステム)です。OSが古いと、最新のアプリ(やり方)も動きません。
考え方が変わらないままだと、やり方が意外と機能しなかったりするので、マインドセットの基本的なことも3つにまとめてお伝えします。

マインドセット1つ目は「自分の価値がなくても、世の中の知識・情報を編集することで独自のプログラムは作れる」ということです。
よく、こういう方がいます。「自分は人にそんな高値を払ってもらう価値があるとは思えない」「普通の仕事をしているし、普通の人生を生きています」
僕だってもともとは同じです。ただ、世の中の知識や情報を編集すると、ある程度の独自プログラムは作れます。
編集したプログラムは自分が実践しないと説得力がありませんが、英語でも自分で「3カ月でTOEIC300点UP」と決めて、世の中の知識や情報を仕入れて、編集して、自分でやってみて300点UPしたら、その体験や知見は自分独自のものです。

マインドセット2つ目は「知識社会は、知識が価値を失う(無料化)一方で、アウトプット型の結果の出るプログラムなら、高くても飛ぶように売れる」です。
知識を得るうえで本より無料のYoutubeで見る人、Podcastで聞く人などが増えました。知識がだんだんと価値を失っているのです。知識を得ることが、みなさんのキャリアや収入を上げることはありません。知識だけでは目の前の現実は変わらないのです。知識だけで評価されるのは学力テストだけです。それはベクトルが間違っています。
経験や、体験からつかみ取る、目の前の現実を変える知恵を増やすことが大事です。僕のサービスも高額にもかかわらず買っていただいているのは、結果が出るからなのです。

お客様が結果を出す学び方

結果はどうやって出すのか。これは自分にも当てはまるし、人に教えるときにも役立つのですが、人はそもそも「続かない生き物」なのです。その「続かない」をどうやって解消するのかというのは、みなさんの学びにおいても非常に重要です。

本日のようなセミナーに参加して知識を学ぶというのは、学習の第1ステップでしかありません。これは、動画でいいのです。自宅のパソコンやスマホで、知識は入れられる。人によって、どこを深く学びたいのかなどは異なりますから、対面で教わるより、むしろ動画の方が繰り返し学べていいです。
大事なのは得た知識をもとに、応用するということです。このセミナーの後が大事ということです。
例えばとりあえず、自分だったらどういう教育型ビジネスをするかなと応用してみる。ダイエットも知識を仕入れたら、やる必要がある。僕のプログラムの結果が出やすいのは、僕は普通の講師が知識提供に時間を取っているなかで、僕はここをオンラインに特化しているからです。
そして何をしているかというと、④のフィードバックに時間を割いています。これは、ZOOMなどを使えば、どこにいても会話ができます。南米にいても、アフリカにいてもできるのです。知識提供はオンラインで自動化している分、一人一人の個別の悩みや目標に対してフィードバックをするから、結果が出やすいのです。

スタートから1年間黒字化させる発想

マインドセット3つ目は、「価格に対して高い安いはない、価値に対して高い安いがある」、「カスタマーサクセスを提供できれば高額×長期継続ができる」ということです。時給思考、作業思考、制作思考、バラ売り思考ではなく、価値思考でビジネスをしましょう。

実際、僕はクリーニングの袋に5円払うことを、高いと感じます。高いと言うか、小銭を出すのが面倒です。
けれど多くの人が結婚式には数百万円払います。人生最高のウェディングという幸福を提供できるからです。新郎新婦の夢を描けば描くほど、お値段も比例するわけです。一方で、お花や衣装、食事代は、ウェディング会社からすると仕入れコストになり、値下げの対象になりがちです。カスタマーサクセスを叶えるワンストップサービスを提供できる人・会社は、高くても選ばれるのです。
カスタマーサクセスは、法人であれば「継続的な利益」です。継続的な利益になると示せれば契約に繋がります。あなたに100万払っても、1000万儲かるなら、経営者はあなたに投資するはずです。
個人であれば、これが「継続的な幸福」になります。保険という商品も、金融商品という物を売っているのではなくて、長期的に、何か困った時にお金が下りるという「安心からくる幸福」を売っていると考えられます。

このように高額な商品を長期継続的に提供できれば、あなたの収入は上限なく増えていきます。
スタートから1年間で黒字化するのが理想です。僕の場合は年初から1億円ぐらいの粗利がすでに確定しています。それが確定しているので、顧客開拓にあくせくする必要がありません。その時間とお金を使って、お客様に喜んでもらえるようなサービスをしたり、自分たちの人生を面白くしているのです。

教育型ビジネスの魅力をお伝えしてきましたが、もちろん教育型ビジネスは、あなたの最高値を更新するためのひとつの戦略でしかありません。飲食店、不動産、株式投資などでもよいでしょう。けれども、自己実現を叶えながら、仲間も集まり、お金も入って、世界を旅行するような自由も手に入るという、この教育型ビジネスはとてもいい戦略であると僕たちは確信しています。

(画像提供:iStock.com/CreativaImages)
小林正弥(こばやし まさや)



(株)教育スクールビジネス研究所 代表取締役 埼玉県生まれ。
早稲田大学理工学部卒。

25歳で独立したものの全く稼げず、時給900円の日雇いバイトを経験。
家族の治療費のため、自分を最高値で売ることを決意し1ヶ月後に毎月210万円、その後、自分を商品にして1億円プレイヤーとなる。
全国に100名のメンバーがいる新・講座型ビジネス実践会を主宰。
ゼロから3ヶ月で月100万円稼ぐ人が続出していることから「才能をお金に換える専門家」と呼ばれ、年間3,000万円、1億円稼ぐクライアントもいる。
自身がお金に苦労した経験から、地に足のついたアドバイスに定評がある。


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