子供向けに書かれた本を読んで、ハッとした経験はありませんか。子供向けだからこそ、難しい表現を使わずわかりやすく理解できる工夫がされていて、実は大人向けの本よりも面白いものが沢山あります。私が見つけたおすすめの子供向けの書籍を4冊紹介します。
はじめまして、累計15000部突破の電子書籍「本好きのためのAmazonKindle読書術」著者の和田稔です。電子書籍を中心に年間100冊程度の本を読んでいます。 皆さんは、本を選ぶときにどういう基準で選んでいるでしょうか。ジャンルや著者などで選ぶ方が多いと思いますが、新たな本選びの候補として加えて欲しいのが児童書や絵本となど、子供に向けて書かれた本です。 一見子供に向けて書かれているようで、大人が読んでも楽しめるものも大きく、ビジネスの現場などでいかせるような作品もたくさんあります。 今回は、大人も子供も楽しめるそんな本を4冊紹介致します。 目次 近年、ビジネスの現場で絵を活用することが注目を集めています。 絵を使うことで言葉や文字だけでは表現が硬くなってしまったり、難しい印象を与えてしまうテーマについて、親しみやすくしたり、わかりやすくすることが出来ます。 テレビの討論番組などでグラフィックレコーディングといって、議論した内容を絵で表現しながらすすめていく手法が導入されている場面をみたことはないでしょうか。 また、絵を描くことは、右脳を活性化させることが出来ると言われています。職種にもよるとは思いますが、ビジネスの現場では何かと論理、数字などを司る左脳を使うことに偏りがちです。ですが、新しいビジネスアイデアは、左脳と右脳をバランス良く使ったほうが生まれやすいと言われています。 マインドマップのような絵を描くことで、思考を整理/発散させるメソッドもあります。 簡単でも絵で表現できるということは、ビジネスの現場においても強力な武器になります。 そんなこと言っても、自分には絵心なんて無いしという方におすすめなのが、こちらの「1日10分で絵がじょうずにかける」という低年齢の子供向けに絵の描き方を解説した本です。 このシリーズは大人向けの本もあるのですが、実は子供向けのほうがわかりやすく解説されており、絵が苦手な方はこちらから入るのがおすすめです。 絵を描く基本は、書きたいものもきちんと分解して把握すること。丸、三角、四角の組合せでどんな絵もある程度かけてしまうのです。子供向けだからこそ、シンプルでわかりやすく本質が掴めるようになっています。 子供のころに虫や生き物を観察するのが大好きだったという方も多いのではないでしょうか。最近では、有名な俳優さんが昆虫を捕まえるテレビ番組が流行しています。 数ある種類の生き物の中でも、特に面白いのが寄生生物です。 寄生生物とは、自分に以外の他の生き物の中に住み着いて(寄生して)、生きている生き物のことです。その寄生の仕方は様々で、時には共生、時には乗っ取ることで種の保存を図っています。 寄生生物は大人向けの解説書もたくさん出版されているのですが、大人向けの解説書で読むとちょっとえげつなく、読むのが辛くなることがあります。その点でこの本は児童書のため気持ち悪くなるような部分の表現をイラストで親しみ易くなるようにまとめられています。 子供向けにわかりやすくかかれているといっても、その寄生生物を知る上で大事なポイントはきちんと抑えられており、楽しく学んでいくことができます。 この記事を読まれている方の中には、そんなこと知って何が面白いのと思われる方もおられるかもしれません。 もちろん、単純な知的好奇心も満たすいみでも面白いですし、寄生生物は有名な映画や小説などで敵キャラのモデルとして利用されていることもあり、知っていると作品をより楽しめることもあります。 大人の教養として、知っておいて損はない世界。それが寄生生物の世界なのです。 子供のころに ・ 人はなぜ生きるのか。 そんな、答えのないことで悩んで、布団から出られなくなったことがあります。 本書は誰しもが陥りがちな素朴な悩みごとについて、仏様の教えを元に子供でもわかりやすく理解できるようにマンガで書かれています。 仏様と言われると、宗教と考えて敬遠される方もおられるかも知れませんが、近年は仏教を生きて行く上での哲学と捉えて見つめ直すビジネス書も数多く出版されています。草薙龍瞬氏の「反応しない練習」などはその代表例と言えるでしょう。 本書はマンガで短く書かれていて、難しい言葉を一切使っていません。そのためかえって深みがあり思わずはっとさせられることの多い内容となっています。 これからは人生100年時代と言われています。長い人生を生き抜く上では、なんらかの哲学は必要です。 この紹介記事を読んで、 ダメと言われるとやりたくなるのは、大人も子供同じ。人はなぜかダメだと言われるとやりたくなってしまうのですが、心理学ではこのことをカリギュラと読んでいます、 そして、そんな人間心理を巧みに利用しているのが本書「ぜったいにさわっちゃダメ?」です。 この本の著者ビル・コッター氏は、前作「ぜったいにおしちゃダメ?」が33万部の大ヒットとなり、本書はその続編になります。 もともと、「ぜったいにおしちゃダメ?」は読み聞かせをした子供の反応がすごくいいというところからヒットした作品です。 内容は児童向けの絵本なのですが、その作りの巧みさには大人も学べる点があります。読み聞かせする大人の側も楽しめるように様々な工夫がこらしてあるのです。 例えば、 ・冒頭からいきなりさわっちゃダメを強調することで、禁止されるとしたく人間心理を揺さぶる点 など、子供が実際に本の物語に参加できるような配慮がいくつもなされています。 インターネットが発達した昨今、人はモノや情報よりも体験にお金を払うようになったと言われています。ですが、実際に楽しめる体験を人に提供するのって簡単ではありません。 その点、この「ぜったいにさわっちゃダメ?」は子供に体験を与えるという考えが全編を通じて貫かれています。なぜ、この本が子供達にうけるのか。子供達はこの本を読むことでどのような体験を得ることができるのか。 それを考えるだけで、大人でも新しい学びを得られることは間違いないでしょう。 (文:和田 稔)大人のお絵かきはビジネスに応用できる
グロテスクだけど興味深い寄生生物の世界を解説
ブッタ教えは人生100年時代を生きる哲学
・ 人はなぜ人を好きになるのか。
・ 幸福とは何か。
「んー、今更そんなこと悩んでいたら生きてられないし」
と思われた方にこそ、日々の当たり前を問い直す良書となっています。禁止されるとしたくなる人間心理を突いた絵本
・子供の本を読む導線を意識したページの構図作り
・子供が実際に触って心地良いように配慮された表紙の紙質(画像提供:iStock.com/DGLimages/milanvirijevic/damircudic/pinstock/altmodern/)