脳みそしたたるイイ女

不倫に誘われた時のオシャレなかわし方

#連載エッセイ
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不倫に誘われた時のオシャレなかわし方

そんなスタンスで暮らしていると、口説かれる機会は当然にある。私はそんな時、まず第一声で、「不倫をしない主義なんだよね」と伝える。めちゃくちゃ顔に出るし、絶対に嘘を付けない性格だから、確実にバレると思うし、バレたら夫を傷つけることになるけど、夫を傷つけていい理屈が自分の中にないから、と。全部本当のこと。

快楽より、罪悪感が勝って、プラマイどマイナスな性体験になってしまうことも目に見えていると。私にとって不倫は、罪悪感で辛くなるだけな上に、大切な人を傷つける活動。うまみがなさすぎる!私の性格的にうまみがない!!!

それに何より「性癖が深刻なんだよね」と。エロいと感じることの幅がすっごく狭いの。

私にとって最もエロくないのは予定調和の性行為で。代表は、カップルがするセックス。ヤレるからヤる、触って大丈夫って決まってるから触る、っていうやつ。そこに何の覚悟も勇気もなく、惰性で発生するような性行為全般が、私にとっては全くエロくなくて。

背徳感とかも一切、感じないタイプで。プレイって名前が付くような行為全般が、あまりにもツボじゃない。エロがらせにくる系全般、「ヒィィ、エロがらせにきてるぅううう」って鳥肌が立っちゃう。寒い。

私にとってエロいのは、たとえば、3年くらいかけて育ててきた友情がそこにあって、友達としてすごくイイ関係で、この人に手を出すことにはその関係を壊すリスクがある、もし今二人が同じ気持ちじゃなかったら、自分が独りよがりに性の一手を出してしまったら、すごく大切なものを失う、だが、しかし!!!!!どうしても今!!!!!触りたい!!!!

みたいな気持ちが昂った果てに、一世一代の勇気を振り絞って、向こう側に踏み出す瞬間。エロい。1mmも予定調和じゃない。エロい。

そのつもりでホテルに入ってとか、家に行って、とかの時点でもう予定化されててエロくないし。出会い頭に口説かれてさっさと良い仲になるのも、とくに勇気の出番がなくてエロくない。

本当に本当のヤリたい気持ち、これが臨界点に達しているコンディション、それがエロい。

でもそんなのは昨日今日出会ってすぐに生まれる感情じゃない。そう、私の性癖にヒットする性行為をするのって、かなり手間が掛かる。まずは、壊れることを恐れてしまうくらい大切な関係性を育てないといけない。

断る口実ではなく、本音で、「エロいって気持ちになるのに、めちゃくちゃ手間暇がかかる性癖なんだよね。だからもし私を狙うならまず3年くらいかけて友情を育む必要がある。友情を育むことはもはや前戯」と伝える。

不倫しない主義だから、いずれにせよ結婚している間は何もできないけど。ただ、夫は確実に私より早く死ぬから、私はいずれ未亡人にはなるだろうし、未来のことは何もかもが未定ではあるから。

そう伝えると、「友情を育みます!!!」となる。どうにか寝技に持ち込もうとする会話を吹っかけられることはまずなくなるし、本当に健全に楽しい会話をして人と人としての関係性を育てる間柄になれる。

そうやって何年も関わった先に「よし、3年経ったからそろそろいくか」なんて思う人はまずいないだろうと思っていて、3年も友達としての思い出が積み上がると、そう簡単に壊せない友情が芽生えているため、もうそのままいける。少なくとも、私の方から色目を使わない限りは。

「まぁ、とりあえず、友情を育むという前戯をしよう」

これは私にとってすごく便利で、そして本音でしかない、オシャレな不倫のかわし方だ。

エロがりづらい私に選ばれし男

ちなみに、私が性癖について話すと「じゃあ夫婦のセックスとか一番エロくなくない?」という話になるのだけど、そう、私の性癖からすると、配偶者というのは最もエロくない対象であり、夫婦のセックスはエロくなさの極みなんだけど、エロくはないが掛け替えがない存在だから一緒にいることを選んでいる。

エロいことがヒエラルキーのトップではない。

私にとってエロさとは現象であり、オーロラみたいなもので、再現性がなく、育てに育てて育てあげた関係性を失うかもしれないリスクと天秤にかけてもどうしても触りたくなっちゃって特攻する一度目はエロいけど(タブーを犯す背徳感がエロいのではなく、そこまで昂った気持ちがエロい)、二度目以降はもうイケるもんだと分かってていくことになるから既にエロくないし、エロさってとにかく儚い。賞味期限が短い。

私が夫を結婚相手に選んだのは、エロさ0なのに何故か強烈に良い性行為ができたことに感動したからで、「エロさに頼らないセックスができる関係性は強いのでは」という仮説の元に挑んだ結婚だった。あれから10年、「やっぱりこの人は強い」と思い続けてる。夫が相手じゃなかったら、こんなに萎えやすくエロがりづらい女の私はとっくにレスになっている。

サンクチュアリ出版チャンネルにも出演中です!ぜひご覧ください!https://youtu.be/UQSssGOliLk

下田美咲

1989年生まれの36歳。有料noteの売上が累計3億円を突破している令和時代の売れっ子エッセイストで、2児の母。

10代の頃よりモデル・タレントとして活動。

21歳の時に始めたYouTube企画「下田美咲の動画プロジェクト」が人気を博し、 当時としては異例の再生回数を連発。「コールの女王」として注目を浴び、多数のテレビに出演する。「下田美咲参上」のフレーズも話題に。

27歳の時に、結婚を機に作家に転向する。

現在までに出版した著書は「新型ぶりっ子のススメ」「人生の作戦会議!」など7冊で、作家として「セブンルール」「ボクらの時代」などに出演。

2018年より、読者の質問相談に個別対応するためのオンラインサロンをオープン。月額12500円と高額ながらも、現在までに2000会員と交流。誰よりも読者のリアルに詳しい作家になることを目指し、やり取りを重ねている。

2025年現在のSNSの総フォロワー数は11万人。

下田美咲Instagram
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下田美咲サロン「人生を動かす目からウロコ」
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