都会を出て田舎で0円生活はじめました。青森の0円家族、田村家の自給自足な日常を嫁目線でお届けします。
みなさん、こんにちは。
青森で家族三人、自給自足生活をしています「都会を出て田舎で0円生活はじめました」もう一人の著者の田村ゆにです。
青森も今は冬ですが皆さんがイメージする雪国とは違って、ここ南部町は比較的雪が積もらない地域です。
冬でも比較的移動がしやすく、北国でも住みやすい地域かと思います。
一方で土の微生物や野菜の保存の面では、積もって春まで溶けない方がありがたいことも、この暮らしから学びました。
世間で地球温暖化や物価高騰などの、今を生きる上で不安を覚えるようなニュースが流れるたびに皆さんの心はきっと穏やかではないのだろうと思います。
そんな中で、私たちの暮らしを「節約生活」として取り上げられることもありました。
色んな角度から暮らしを切り取って伝えてもらうことで、様々な価値観の人に私たちの生活を知ってもらうきっかけになります。
ありがたいことである一方で、どれだけ自分達が事実しか伝えていなかったとしても、私達の考えとは違う表現をされることもありました。
メディアのような目まぐるしいスピードで消費される情報とは違って、自分達の伝えたいことを伝えたい言葉で表現できる。
そして、読みたい人のタイミングで情報を受け取ってもらえる本にする機会をいただけたことに、改めて感謝しています。
この暮らしは普遍的な事柄が多く、いつ読んでいただいてもきっと、暮らしの温度感を1度上げるようなネタが入っていると思います。
このタイミングで興味を持ってくださる方がいたなら、ぜひお手にとっていただけると嬉しいです。
目次
0円だけど、節約じゃない
メディアを通して節約生活や節約ママとしてご存知の方は、0円イコール節約と伝わっている方も多いのではと思います。
一般的には自給自足生活よりも、節約の方が取り組みやすいと感じる人の方が多いのではないでしょうか。
しかし私たちは「節約だから」なんでも手作りしたり、買わないで済ませているわけではありません。
それにもしも節約が理由だとしたら、効率を重視して面倒臭いことを避けてきた元都会っ子の私はきっと、今日までこの暮らしは続かなかっただろうと思います。
実際に一人暮らしの時には、なるべく必要のないことにお金を使わないように節約思考で生活していました。
未来の楽しみのために今の楽しさを犠牲にして、コツコツと節約で貯めても使う時は一瞬。
節約しないと暮らしは大変なんだけど、やりたくてやっている感覚ではありませんでした。
今のこの暮らしを経験してみると、節約生活とは真逆な考え方のようにも思えます。
もちろん節約が悪いわけではなく、心から楽しんでやっている人もいるだろうし、節約することで有限な資源をムダ使いしない視点にもつながるので、否定的ではありません。
ただもしも、やりたくてやっているわけではない節約生活だとしたら、視点を変えたり少しの行動の変化で、お金をかけずとも豊かな暮らしにアップデートできる可能性があります。
わかりやすく「自給自足と節約の違い」としてみたので新しい視点として、この暮らしが目指す未来を感じていただけたら嬉しいです。
自給自足と節約の違い①「楽しさが持続可能」
勝手なイメージかもしれませんが節約って、制限があったりちょっと我慢することで、お金などの数字に見えるような目標を確認して喜びを得ます。
そして達成した時には、目的のアイテムを買ったり、外食に使ったりなど、その先にある楽しみのために取り組んでいる人が多いように思います。
もしお金に制限がないとしたら、その暮らしを続けるでしょうか。
一方で、この自給自足的な暮らしは、限りなく理想に近い暮らしを叶えるために取り組んでいる段階から小さな幸せが見え隠れしています。
例えば野菜の栽培であれば野菜が出来上がる喜びはもちろん、土づくりはまるで微生物を育てるようであり、種をまいて野菜の成長を見守る過程も楽しいものです。
例えお金持ちになったとしても、この暮らしを辞めたいとは思いません。
もちろんこれは私の感覚ですが、もしも節約を辛いと感じることがあれば、その過程に楽しみを見つけられるようなものに切り替えると続くのかもしれませんね。
自給自足と節約の違い②「年々ラクになる」
自分のものは自分で賄うとなると、その作業をする時間が必要です。
ただそれは手仕事として身つくので、慣れてくると年々手間だと感じないようにもなってきます。
何度もやっているうちにやり方を改善したり、自然の営みや循環の中にうまく暮らしを当てはめることができれば、野菜の栽培も人の手が最初ほどは必要なくなってくることもあります。
なんでも続けているうちに、人は慣れてくるものです。
あたり前になって我慢できるようになったのか、それとも手慣れて大したことないと感じるようになったのかで表面的には同じでも、根っこにある自分自身の変化には大きな違いがある気がします。
それは自分で自分を満たす自給自足でしょうか、それとも自分にムリなくブレーキをかける節約でしょうか。
自分の幸せに貪欲な私だからこそ、この暮らしがピッタリだったのかもしれません。
自給自足と節約の違い③「思考の広がり」
ない中でなんとかしようとする時に、自給自足のアイデアは生まれます。
ジェノベーゼパスタが食べたいと思って畑にバジルを植えたけど思うように育ちませんでした。
そんな時、実は野草のヨモギでも同じように使えて美味しかった事があります。
こどもに木のおもちゃが欲しいなと思っていたけど、その辺にある廃材や拾った木の枝でおもちゃになったこともあります。
都会暮らしでは、なんでも「ある」と思っていたので、この「ない」という感覚が新鮮で、そんな時に頭をフル回転させることでアイデアが生まれてきます。
簡単なゲームって、つまらないですよね。小さい子どもとの単調な遊びに、何度あくびが出たかわかりません。
出来そうで簡単には出来ないから、チャレンジしたくなるわけです。
自給自足の現場では大人を飽きさせない、仕組みはシンプルなんだけど自分の暮らしに置き換えるとちょっと難しい挑戦の連続です。
そのゲームをクリアした先には、自分が住む現実世界の心地よさが変化します。
そんな未来を豊かに変える可能性を秘めた人生ゲームが自給自足なのです。
まとめ
自給自足をオススメしてきましたが、どんな暮らしでも幸せで楽しいものなら素敵なライフスタイルだと思います。
一般的にこの暮らしのイメージは、不便で辛そうかもしれません。
しかし便利さに傾きすぎた今の世の中では、むしろその不便な暮らしが新しくて、今一度その手間を楽しむことで見えてきたのが心の豊かさでした。
今回の動画では、買えば1パック100円くらいの納豆を6日間かけて手作りしています。(大豆の種を蒔くところから考えると、もっと長いです。)
もしも節約が目的だとしたら、こんなにも時間を費やしてたったの100円をケチるでしょうか。
私だったら、100円で買います。笑
・種を蒔いて、発芽した瞬間の喜び
・虫や鳥に食べられながらも、逞しく大豆が育つ感動
・大豆の粒がサヤから外れる時の弾ける音の心地よさ
この全てを体験できるのもまた、自給自足です。
ぜひ今回の動画から、大豆1粒が1つの命であり、食べることで人の命に置き換わるのが「食」だということを感じていただけたら嬉しいです。どうぞご覧ください。
田村ゆに(Tamura Yunii) 1987年北海道札幌市生まれ。高校卒業後に歌手を目指して上京。アルバイトをしながらの歌手活動中に着物の魅力にハマり、365日着物生活をはじめる。29歳になる年にSNSで発見した田村余一の「お嫁さん募集」へエントリー。その年の秋に青森へ移住し田舎暮らしを始め、2017年に入籍。オフグリッド生活や畑作業をスタートする。2018年第一子を出産。現在は子育てや畑作業の傍でインスタグラムを中心に暮らしの知恵や野菜の知識をシェアして活動している。 たむらゆに(Instagram) https://www.instagram.com/uchimill_yome/ うちみる(自給自足家族生活オフィシャルWEBサイト) http://uchimill.naturebounds.com/ うちみる動画チャンネル(YouTube) https://www.youtube.com/@uchi-mill4828