「THE DANCE DAY」決勝大会出場やSEKAI NO OWARI「Habit」MVの振り付け・ダンサーを担当し、人気急上昇中の3人組グループ、パワーパフボーイズさん。メンバーのAOさん、KANさん、naotoさんに、見る人を惹き付ける振り付けの誕生秘話や、インプットしていることなどを聞いてきました!
パワーパフボーイズさんは、お会いした際に超元気に「パワーパフボーイズ!」と自己紹介してくださいました。超エネルギッシュな3人組に、アイデアやクリエイティビティについて根掘り葉掘り聞いていきます!
[聞き手:奥野 日奈子(サンクチュアリ出版 編集部)]
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目次
まず振り付けがありえない?
聞き手
パワーパフボーイズさんの振り付けは、何回見ても次の動きの予想ができないからクセになります! そこでこう動く!? という驚きがたくさんあります。
KANさん
それは振り付けをつくるときに結構意識して、大事にしていること。こうきたらこうくるだろうなみたいな固定観念ぽいものよりも、「ソレ!?」みたいな意外性のある動きを連続させたりします。例えば、連続でコケちゃう! みたいな(笑)。
(聞き手 連続でコケちゃうってどういうこと……!?)
AOさん
それ、超おもしろくな〜い?
naotoさん
こうきたらこうくるだろうなをぶち壊したいです!
KANさん
おもしろいことが好きすぎる性格なんスけど……(笑)。3人だと、リハーサルなどで超動いた日でも、ずっと笑ってるとか、ふざけちゃう。
naotoさん
まじめであればあるほど笑うよね。
AOさん
KANくんは思いのまま笑ってないとダメね!
僕たちがおもしろくないのに、見た人がおもしろいって思わないと思っています。
聞き手
自分たちがおもしろいと思うことを伝えていくって素敵です。
3人の笑いを沸点にする
聞き手
振り付け自体を考えるときには、3人でどのようにつくっていますか?
AOさん
ものによるんですけど基本のベースは音で遊んで、フィーリングで自由に動くなかで、3人同じ沸点で、「これおもしろい!」ってゲラゲラ笑うポイントがあるんです。
その感覚は、大事にしています。
1個1個は計算したアイデアっていうよりもnaotoみたいにね……。
naotoさん
ものすごい動きで、こんなのどうぅうう〜みたいに動くんで(笑)。
聞き手
すみません、凡人には全然ついていけないんですけど……(汗)
AOさん
「誰ができんの!? その振り付け(笑)」みたいな。そんな感じで3人で出し合いますね。もちろん振り付けのお仕事のときは、ディレクターさんや、自分たち3人でも「ここはこうしたほうがいいよね」とか「やりすぎていたから引いたほうがいいよね」っていうのを考えます。
KANさん
効率だけを考えたら、それぞれが個々でダンサーをしている経験を活かして分けてつくって、3人それぞれの正解を合わせるほうが速くつくれる場合もあるんですけどね。
naotoさん
それでやっても、結局は一緒につくったもののほうが踊っていても楽しいというか。僕たちが楽しく踊れるものは、やっぱり3人で楽しんでつくったものだと無意識に感じています。
愛着が湧くんです。僕たちがつくったんだっていう、生んだ感じ!!
AOさん
ベイビーたち〜!! ということで、3人で作った振付は僕たちの子どもなんです。
思い返すと、今みたいになりたいと思って振り付けをつくったわけじゃない。3人で楽しい時間を過ごすうちにパワーパフボーイズに対しても愛着が湧いてきたのかなと思います。
聞き手
3人で意見が割れることもありますか?
3人
ありますよ!
聞き手
それってどうやって調整していくんですか?
KANさん
意見が割れたときに2対1だったら3人中2人がそう言うならそうなのかもしれないと、多数決じゃないけど平和に決められる気がしています。逆に1人の意見だとしても、絶対に譲れないなら、それを信じて3人でやってみようっていうパターンもある。セッションをしているので喧嘩にはなりませんね。
AOさん
3人それぞれが思いつきや、遊び心で言うこともあるけど、そのアイデアに対して、真面目に考えているとお互いにわかっていると思います。だから、言われたことに対しても、こういう意図やこだわりがあるんだろうなって汲み取る。意見が割れてもそういう意図があるならそれでやるのもいいよね〜ってなりますね。
KANさん
AOくんの口癖は「一旦んん〜!!」(笑)。
意見が割れて、わけわかんなくなったらAOくんが「一旦んん〜!!」って言って、一旦曲を聴く。それぞれが一旦仕切り直すこともあります。
naotoさん
だんだんわかんなくなってくるから、シンプルに原点回帰。最初にやってたものが良かったりするパターンが僕らは結構多い気がしています。
AOさん
3人とも、アイデアが止まらないタイプで無限大なんです。3人でいくらでも話していられる!
naotoさん
止まんなくなっちゃうんだよね〜。
普段のインプットはどうしている?
naotoさん
僕は見て学ぶことが多いです。
なんでも見るようにしていて、空や景色、YouTubeも見ます。お笑いも好きで、お笑いからもインスパイアされています。
昨日はシャワーを浴びながらニューヨークさんのネタを見ていました。コントなんですけど、「こういう人いるよね」みたいなネタが超好きなんです。スクールゾーンの俵山さんや、たつろうさんも好きです。
憑依がおもしろいので、参考になるなと思っています。僕たちは普段からモノマネすることが多いんです。だから多分この後、聞き手さんのモノマネしちゃいますね(笑)。
(聞き手 1時間話しただけでモノマネできちゃうんだ……)
AOさん
僕のインプットは音楽かも。K-POPを聴きながらシャンプーしています! あとは、人の仕草とか癖を見るのが好き、っていうか見ちゃう(笑)。
僕が好きなダンスのジャンルってって仕草の延長線にある気がしています。例えば個性的な自分のスタイルを持っている人とか見て取り入れたい。どんなモードで踊ると伝わるのか考えたり。
月並みだけど、海外の映画やミュージカルも見ています。僕たちのダンスは表情豊かだから、生かされていればいいなと思います。
KANさん
僕のインプットは、人と会って話すことだと思っています。職業やタイプ、年齢が違う人と話して、そこから感じとって学ぶことが多いです。自分が持っていないものを吸収したいなと、会話しながら思っています。好きな食べ物の話とか、口調とか、テンションとかなんでも参考になります。
AOさん
KANくんは質問することが多いよね。深い内容じゃなくても、「今食べたいもの何?」とかよく聞いてくれる。人に興味がすごくあるんだなって思います。
今の気持ちやバイブスを聞こうとしてると感じています。
これからパワーパフボーイズとしてやってみたいことや叶えたいことは?
AOさん
3人とも夢はいっぱいあって、やりたいことがたくさんあると思います。
この年になってここまでやってみたからこそ、「何でもやりたい」ってちゃんと思えるようになりました。
今はありがたいことに、パワーパフボーイズがさらに大きくなるように沢山の人にお世話になっていて。今まではダンサーとして注目されることが、なかなかなかったので「THE DANCE DAY」やSEKAI NO OWARI「Habit」で注目してくださることが、結構大きなことだと思っています。
普段は踊っているけど、写真や雑誌系もやってみたい。しゃべるのが大好きだから、僕たちのパーソナリティが生かされることもやってみたいです。
また、僕は前ニューヨークに住んでいたので、ニューヨークのブロードウェイで自分たちの公演をやりたいですね! 夢の夢ですけど、海外のアーティストさんで大好きなケイティ・ペリーさんと仕事できるレベルまで、振付師としても、ダンサーとしても、パワーパフボーイズとしての究極までいきたい! そこの景色がどうなってるか見たいと思ってます。
やってみたい事がたくさんある中でも、今は僕らパワーパフボーイズの単独公演やってみたい!
自分たちで公演をうって、僕たちにしかできないカラーで僕たちにしかできないことを大きい規模でやりたい。
多くの人たちに僕ら流のハッピーを知ってほしいので、だからこそもっと外に出たいです。
僕たちの大きな使命は「ハッピーを振りまくこと」なので!
あとは、ダンスで単独公演をやる上で、著作権の問題で自分たちの楽曲が必要とも感じています。でも、僕らは歌うボーイズグループになるためでなく、自分たちがおもしろいダンスをできる音源がつくれたら良いなって思ってます。
最後に、個人的な夢でもあるけれど、本も書きたいです。ダンスで身体表現やってる自分達が、本やラジオ、雑誌に出れるってすごいこと。ダンスやってる人間の伝えたいことが文字媒体になるって本当にありがたいです。
2人はどう?
KANさん
知っている人をもっと増やすという意味で、世界……宇宙に行きたいです。
聞き手
宇宙ですか!?
KANさん
パワーパフボーイズです! っていうときに「ダンサー」や「振付師」という肩書だけでなく、「ダンサーアーティスト」としてみんなが認める活動をしたいです。
naotoさん
本当にそのとおり。見てくれる人を増やしたいし、そのためにも多方面の方とセッションして、活動を広げていきたいと思っています。
僕たちの楽しいが、いろいろな人に広がっていくのが何よりの幸せです。ハッピーが感染してくじゃないけどね!
KANさん
ハッピーウイルス!
naotoさん
何かを形にするのが好きなので、僕たちのアイデアとかデザインが形になるといいなって思います。そういう意味でもなにかブランドができたらいいですね。身につけるものでも、家具でも、生活しててこういうのほしいなというものを形にしたいです。
AOさん
はい!! それだったら、僕らは普段からナチュラルメイクするんですけど、メイク道具をつくりたいです。男性がメイクしていくことは今でこそ流行になってきたけど、わかんないことがいっぱいあるから。汗かいても落ちないものや、隠したいところをカバーできるものとか。
パワーパフボーイズとして叶えていきたいこと、これからも3人で模索していこうよ!
3人にとってダンスとは!?
KANさん
メロンソーダ
一番好きなものだから!
naotoさん
洋服
自分が好きなもので、気分を上げてくれるから! 自分を高めてくれるものです。
AOさん
ダンスイズエヴリシング!
今の僕のすべて。踊るってことよりも、自然に踊っちゃうみたいなのが好きだから、日常的なものです。
おまけ:SEKAI NO OWARI「Habit」MVの振り付けと「THE DANCE DAY」
聞き手
「Habit」大好きです! もともとコンペで始まったと聞きましたがコンペに提出したものがPVでのダンスなんでしょうか?
AOさん
そう思いきや、違うんです!
KANさん
あの振り付けは、何回もつくり変えていて。監督の池田大さんと、コミュニケーションとりながら「ここはもっとこうしたほうがいいね」とか「ここはこのままがいいね」とかそういうやり取りを何回かして今のものができました。
AOさん
コンペのときにサビの振り付けだけほしいって言われていたんですけど、楽しくて止まらなくなってしまって。
1番のサビのおわりでバーンってお辞儀するところまでつくって、そこから、「まだ行っちゃうっしょ!」みたいなノリで、3人で踊って面白かったからおまけで送ってみたんです。
いろいろ振りは変わったけど、サビのあとに続く2番の最初の振り付けは、コンペに提出したもののまま使われています。
僕らも特に考えないで、3人のいつものフィーリングでオモロイ〜って踊った振り付けが、SNSでバズってみんなにヒットしてるっていうのがすごくうれしいです。
naotoさん
それがウケてるって本当におもしろいよね。
聞き手
「THE DANCE DAY」もとっても良くて、笑って泣いて笑って、もう一回泣くくらい感動しました。
3人
ちょっと泣きすぎじゃない!?(笑)
AOさん
「THE DANCE DAY」も、気持ちを込めて踊ってるから、愛のある感想って本当にうれしいよね。SNSでもたくさんのコメントをいただきました。
naotoさん
ほんとにね〜うれしい!
今日のまなび・まとめ
「自分たちの使命はハッピーをふりまくこと」という言葉の通り、終始ハッピーオーラ全開で話してくださったパワーパフボーイズさん。見る人を虜にするダンスは、とにかく楽しむことを大切にしているからこそ生まれてくるものなんだと実感しました。
やりたいことが見つからないと悩んでいる方や、今の仕事に挫折を感じている方もパワーパフボーイズさんの「まずは楽しむこと」を真似すれば、自然と夢中になれることに出会えるかもしれません。
[執筆:奥野 日奈子(サンクチュアリ出版 編集部)]
パワーパフボーイズ 2018年に結成。 それぞれがプロダンサーとして数々の一流アーティストのバックダンサーや振付の経歴を持つAO・KAN・naotoからなる3人組ボーイズグループ。 「THE DANCE DAY」決勝大会出場やSEKAI NO OWARI「Habit」MVの振付・ダンサーを担当し世界中から注目を集めています。