犬との暮らしは、ときに大変でも、かけがえのない時間です。そんな日々の中で生まれた心あたたまるエピソードを『マンガ 犬が伝えたかったこと』の中から、特に読者から人気なエピソード「リン −行かないで」を特別無料公開します。
目次
犬の行動には理由がない
行動を起こすときの理由はなにか?
好きになることにもちろん理由など必要ではありません。
「好きな人と一緒にいる」という単純な行動にも、明確な説明は不要でしょう。
でも人間には理性が備わっているため、なにをするのか、どこへ行くのか、あらゆる行動に理由をくっつける癖があります。
好きな人に対してすらも、「なぜ好きなのか?」と理由がわからないうちは、なかなか認めることができません。
これは人間と犬との大きな違いだといえます。
犬は自分の感情にまっすぐで行動も直線的です。
犬が「この人と一緒にいたい」と思ったときは、ただ一緒にいようとします。
なぜそうするのか、なぜそうしたいのかを犬は理解しようとしません。
仮に人間の言葉を話せたとしても「そうしたいから」としか答えられないはずです。
私たちは自分の感情に対して正当な理由をつけようとして、ふさわしい理由が思いつかない場合その感情を抑え込もうとしがちです。
理由を思いついたとしても、周囲の同意を得られそうにないものであれば、表現すること自体ためらわれます。
これは人間特有の知性のあらわれでもあります。
しかし犬がいる家庭では、少し様子が違います。
時々、この犬の「まっすぐさ」に影響されて、「理由のない行動」をしてしまうことがあるのです。
そしてそのような感情にまかせた行動が夫婦、親子、恋人の関係を、大きく好転させることもあります。
犬のまっすぐな瞳を見てみてください。
「どうして一緒にいたいの?」ただ「一緒にいたいから」
そんな素朴な姿勢に、私たちの気持ちも強くゆさぶられるのです。
(本文より 三浦健太)
やさしい涙あふれる20の物語
『マンガ 犬が伝えたかったこと』は、長年にわたり犬と真摯に向き合い、多くの飼い主の悩みに寄り添ってきた熟練ドッグカウンセラー・三浦健太氏。そして、SNS総フォロワー90万人超を誇り、社会的テーマを温かな視点で描く漫画家・しろやぎ秋吾氏。
そんな二人のタッグによって生まれた本作は、実際にあった出来事をもとにした、犬と人との絆を描く、思わず胸が熱くなる20のストーリーを収録。
言葉を持たない存在だからこそ、私たちのそばで静かに伝えてくれていた。
そんな犬たちのまなざしや想いに、優しく触れることができる一冊です。



