目次
世界にとって都合が良い螺旋構造
世界の骨組みを「一本の線」としてイメージしてみます。
数学の世界では、空間に描かれた線に対して
曲率 どのくらい曲がっているか
捩率 どのくらいねじれているか
という二つの量を使って、その線の特徴を調べます。
この2つが、線のどの場所でも一定であるような線は何か。
教科書にはさらっと書いてありますが、その答えのひとつが螺旋です。
時間パラメータを t とすると
x(t) = r cos t
y(t) = r sin t
z(t) = a t
という形の線を考えます。
r は螺旋の半径、a は一巻きごとにどれだけ高さが増えるかを表す数字です。
この線の曲率と捩率を計算すると、不思議なことに、どの場所でも同じ値になります。
計算式そのものはここでは省きますが、ざっくり言えば
どこを見ても性格が変わらない、いちばん素直なねじれた線が螺旋である
ということが分かります。
世界の背景に、こういう一本の線が通っているとしたら、螺旋はかなり自然な候補になります。
ただし、一本ではまだ足りません。
一本だけの螺旋だと、どうしても右巻きか左巻きか、どちらかに偏ってしまう。ねじる力が一方向に溜まりやすく、構造として不安定になりがち、という問題が出てきます。
縄を思い出してください。細い繊維をひたすら一方向にだけねじったロープは、ぐにゃぐにゃ暴れて扱いづらいはずです。
現実の縄は、細い繊維を一方向にねじって一本の糸にし、その糸を、今度は逆向きに撚り合わせて太い縄にするという二段階で作られています。
中をのぞくと、
右回りのねじれ
左回りのねじれ
が同時に存在して、お互いの暴れぐせを打ち消し合っている状態になっている。
もちろん三本、四本と増やす編み方もありますが、最小単位として考えると、
一本だけだと偏りすぎて危なっかしい
三本以上だと情報量も構造も過剰で、扱うのがめんどう
その意味で、二本の螺旋を絡ませる二重螺旋は、シンプルさと安定性のバランスがいちばんいい構造だと考えられます。
ここに、身体感覚の話を重ねてみます。
右回り 下降・凝縮・注入
左回り 上昇・拡散・排出
実際にネジやペットボトルのキャップの作りはそのようになっていますし、
地面に向かって潜っていく根菜類は右回り
空に向かって伸びるツタ植物は左回り
となるという民間伝承も存在します。
今度は、少しだけ量子の世界を覗いてみましょう。あくまでイメージとしての借用です。
量子力学において、粒子の状態は波動関数 ψ プサイ で表されます。
この ψ は実数と虚数を含む複素数で、ある時刻・場所での値は
ψ = a + i b
のように書けます。ここではa が実、b が虚です。
ψ に対応して、必ずセットで登場するのが複素共役と呼ばれる ψ* です。複素共役とは、虚数部分の符号だけをひっくり返したもので、
ψ* = a – i b
となります。複素平面で見ると、ψ* は ψ を実軸に対して鏡に映した位置にある点だと考えることができます。
重要なのは私たちが観測できる確率やエネルギーは ψ そのものではなく、この ψ と複素共役 ψ* を組み合わせた量として表されるという点です。
たとえば確率密度は
|ψ|² = ψ* ψ
という形で計算されます。つまり、目に見える現実側の量は、常に ψ と ψ* のペアから生まれているわけです。
単純な場合を考えると、時間とともに ψ(t) の位相は一定のスピードで回転していきます。この ψ(t) の時間変化を、横軸に実部、縦軸に虚部、奥行きに時間を取った三次元グラフに描くと、ぐるぐる回りながら上に伸びていく一本の螺旋としてイメージできます。
同じように ψ*(t) を描くと、虚数部分の符号が反転しているぶん、回転の向きが逆になります。その結果、ψ(t) とは反対向きに回りながら上に伸びる、逆巻きの螺旋として表せます。
つまりイメージとして、時間軸の周りには、右巻きと左巻きの二本の螺旋が、いつも見えないかたちで立ち上がっている、と考えることができます。
世界がこのように二重螺旋構造であるなら。無理やりですが、占い的な翻訳もしてみます。
片方の螺旋は、あなたが顕在意識で選んでいる人生。
もう片方の螺旋は、前世や家系が潜在意識で選ばせる人生。
こう生きたいと思って選んでいるはずなのに、
なぜか毎回、似たようなところでつまずく。
なぜか似たような人を好きになる。
なぜか同じタイプの上司に出会う。
それは、表の人生の螺旋と、裏の人生の螺旋が、何度も交差しているからだと思っています。「また同じパターンだ」と感じる場面は、同じテーマのボス戦に別の条件で再チャレンジしているような現象だとも言えます。
神道と二重螺旋構造
ここに神道の話を重ねると面白いんです。
日本神話の冒頭で、この世界のはじまりに現れる神様たちがいます。天之御中主神に続いて
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
神産巣日神 (かみむすひのかみ)
という、いわば世界創造担当の神様コンビが登場します。
どちらの名前にも、むすひという音が入っている。
世界がまだ形を持たない段階で、高いところと、見えないところから、この世界を「生まれさせる」「結びあわせる」役割を担う神にむすひという名が付けられているわけです。結べるということは、紐状であるということにも繋がります。
陰と陽
神と人
過去と未来
伊勢と出雲
前世と今世
祖先と子孫
本来はバラバラな二つの流れが、ある一点で結び目を作る。その結び目から、何かが生まれ、物語が始まります。このむすひの力を、古代の日本人は「しめ縄」というかたちで、目に見える状態にしたのではないでしょうか。
神社の鳥居や、ご神木のまわりに張られたあの縄は「ここから先はちょっと世界のルールが違うよ」という、現世(うつしよ)と常世(とこよ)の2点を結ぶ境界線の印です。
縄のつくりをよく見ると、前述した螺旋と同じように、細い藁を一方向にねじって一本の糸を作り、その糸を何本か集めて、逆方向に撚り合わせて太い縄にするという、二重の螺旋構造になっています。
古代の日本人はしめ縄という実物を通して
二重螺旋は
A 情報を運べる
B 二つの極を持つ
C 時間の矢と、繰り返しのリズムを両方持つ
D 安定している(簡単には壊れない)
ということを、感覚的に扱っていたのかもしれません。
二重螺旋構造は「運命の器」
ここまでの話をざっくりまとめると、こんな感じになります。
数学的には、
どこを見ても性格が変わらない線は螺旋であり、
対称性と安定性を両立する最小構造は、二重螺旋だった。
量子的には、
世界の最小単位は ψ と ψ* という二つ組で記述するのが自然で、
その時間発展を描くと、右巻きと左巻きの二重螺旋が現れる。
神道的には、
しめ縄という二重螺旋のメタファーによって神と人が結ばれてきた。
占い的には、
個人の課題(表)と、家系や前世の課題(裏)という二本の軸があり、
解決されていない課題は、相似形を保ちながら螺旋状に何度も現れている。
振り返ると、みんな同じ二重螺旋を示しています。
二重螺旋は、時間、対称性、安定性、象徴としての分かりやすさ、輪廻や家系や人生の相似性までを、一番少ない部品で、そこそこちゃんと説明できる世界のフォーマットになっているように思います。占いの現場で感じる「家系の課題(先祖から子孫へ)」というテーマは、まさにDNAの役割そのものです。情報は物質(DNA)としても、運命(螺旋)としても、同じ形をして受け継がれるのかもしれません。
同じパターンが来たときには
この世界を二重螺旋構造だと捉えると、人生が少しだけ生きやすくなります。
ひとつめ。
「また同じ失敗をした」と思ったら、「円」ではなく「螺旋」として見てみること。
円だと思うと、ただの堂々巡りです。螺旋だと思うと「前と似ているけれど、少し違う条件で、もう一回挑戦するチャンス」に見えてきます。前回と何が違うのか。自分はどこまでなら、前より賢く動けそうか。それを一つだけ具体的に決めて行動してみると、その一歩が螺旋を一段登る動きになります。
ふたつめ。
あらゆる事象に、必ず二本の流れがあることを意識すること。
どちらか片方だけを「正しい」と決めた瞬間に、一本ねじりの不安定なロープになります。簡単に「悪」を決めつけず、どちらも自分の人生を豊かにするための素材として認めること。対極にある思想や事象を並べて眺めてみると、世界の扱い方が少しずつ分かってきます。
みっつめ。
人生の螺旋を一度、紙に描いてみること。
これは占い師としてのアドバイスですが、自分のこれまでの一生、そして祖父母、親、自分、子どもや下の世代。それぞれの人生のテーマを、ざっくりでいいので書き出してみると、本当に同じような課題が、少しずつ形を変えながら出題されているのが見えてきます。そこを考察すること自体が、螺旋を一段登り、運気を上げる裏技です。
宇宙、世界の形は完全には分かりません。二重螺旋がほんとうに正解の図形かどうかも分かりません。
ただ、二重螺旋というフォーマットで世界を見直すと 「なんで自分だけこんな目に」という感覚は、ほんの少しだけ形を変えます。ブッダはこの世界には輪廻があり、一切皆苦だと説きました。それは罰ゲームのループということではなく、同じテーマをクリアするまで何度でも挑戦できるように用意された、優しいルールなのかもしれません。
赤井カラス。占い師。自身のことを占ったところ「大勢の人を占いなさい」という結果が出たため、2023年4月より紹介制を撤廃して活動開始。現在予約待ち2,000人以上。 X:https://x.com/akaikarasu666 占いサブスク:https://fanclove.jp/club/akaikarasu666


赤井カラス。占い師。自身のことを占ったところ「大勢の人を占いなさい」という結果が出たため、2023年4月より紹介制を撤廃して活動開始。現在予約待ち2,000人以上。
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