私が著者になるまで

会話力を上げれば人生が変わる。話し方教室35年のプロが最も大切にしていること 野口敏

#私が著者になるまで

世の中に数あるコミュニケーション本のなかでも、ピンポイントにお悩みを解決してくれる新刊『2度目の会話が続きません』(サンクチュアリ出版)。著者の野口敏さんが主宰する「話し方教室TALK&トーク」でも、「“はじめまして”より“2度目まして“のほうが難しい」という生徒さんの声が多かったそう。2度目の会話力の高め方、そして「苦節19年」と語る野口さんの半生について、お話を聞いてきました。

コミュニケーションでいちばん大事なのは「共感」

聞き手
インタビューさせていただくライターの三橋です!
三橋さんですね。今日はよろしくお願いします。
野口さん
聞き手
(嬉しい、私の名前をちゃんと口にしてくれる……。さすがコミュニケーションのプロだなぁ)
さっそくですが、今回の新刊、まずタイトルがすごく刺さりました。まさに悩んでいたことだったので。
このタイトルはすぐに決まりましたね。私は普段から本やドラマのタイトルをチェックしているんですが、あるベストセラー本の「悩みやコンプレックスをそのままタイトルにする」というアイデアに感銘を受けて、そこからヒントをもらいました。
野口さん
聞き手
20冊近くの著書がある野口さんですが、「2度目の会話」にテーマを絞った本は初めてですか?
そうですね。私の教室の生徒さんからも「初対面より2度目の会話に困る」という悩みをよく聞いていて、ブログを書いたりもしていたんです。ただ、このテーマで1冊書かせてもらえるとは思っていなかったので、編集の鶴田さんから今回のお話をいただいたときは嬉しかったですね。
野口さん
聞き手
この本で紹介されている会話のコツは80以上。このなかでとくに生徒さんウケがいいものや、野口さん自身が大事だと思うものはありますか?
コミュニケーションでいちばん大事なのは「共感」。みんな話題を探すことばかりに気をとられがちですが、会話が続かないのは実は「話題」がないからではなく「共感」がないから、というケースも多いんです。「相手の話に共感を入れるだけで一気に会話が広がった」という生徒さんも多いですよ。
野口さん
聞き手
なるほど。この本の購入特典動画でもおっしゃっていましたよね。話し手は自分の気持ちをわかってほしいから、話を聞きながら「自分だったらどういう気持ちかな?」と想像して感情を入れることが大事だと。自分が話す側になったときのコツでいうと?
5章で書いた「コミュニケーションブリッジの話し方」。話を短く区切って、聞き手のあいづちを待ってからまた話す、という話し方をすると、お互いの脳の同じ部位が働き始めて映像と感情を共有できるというものです。
野口さん
聞き手
ここでもやっぱりキーワードは「共感」なんですね。
そうそう。この話し方を練習すると早い段階で話し上手になりますよ。私の教室は、笑いがとれるほどの話力を身につけることがテーマ。お金をかけなくてもすごく嬉しい気持ちになれるのが「笑いをとる」ことですから、その快感をみなさんに味わってほしいと思って教えています。
野口さん