私が著者になるまで

一家に一冊、膣バイブルを! 膣ケアの先駆者「ちつ姉」が抱く切実な思い 山口明美

#私が著者になるまで

誰でも最後まで読める「膣バイブル」をつくる!

聞き手
活動を始めてみて、反応はどうでしたか?
インスタライブで出産の話をしたら、「私も裂傷しました」「私も尿もれで悩んでました」というコメントをいただき、私と同じように苦しんでいる人がいたことを知りました。「膣ケアが美容にいいなんて知らなかった」という声も多かったです。だんだん質問も増えてきて、もっと正確な情報を伝えたいと思うようになってからは、婦人科や泌尿器科の先生方にお話を聞いてまわりました。どの先生も、膣ケアと美容には直接的または間接的な要因があるとおっしゃっていて、自分の発信に確証をもてるようになりました。
山口さん

 

 

聞き手
今回の出版のお話はどういう経緯で?
野田聖子議員が会長を務める『フェムテック振興議員連盟』が2020年に発足したことも重なり、セミナーや講演の仕事をいただくことが増えたんですが、女性の悩みは年代やライフスタイルによってさまざま。教え方がとても難しく、「みんなに配れる教科書のような本があったらいいのに」とずっと思っていました。いまある本は、どれも読書好きの私でさえ最後まで読むのが大変だと感じる専門的な内容で、かつ実践までは行かなそうなものばかり。
山口さん
聞き手
それでもう自分で出してしまおうと。
はい。本を読まない友だちに聞いたら、みんなマンガなら読むと言っていたので、膣ケアをマンガにするアイデアを思いつきました。実は私、昔からサンクチュアリ出版の本が大好き。前に別の本の企画を持ち込んだこともあるくらい好きな出版社だったので、「サンクチュアリさんでマンガの本を出したい」と社内で話したところ、顧問がたまたま若林杏樹さん(漫画家/『なんとなくずっと不調なんですが 膣ケアで健康になれるって本当ですか?』共著者)と知り合いで。
山口さん
聞き手
なるほど。若林さんはサンクチュアリ出版から本を出されていますもんね。
そうそう。あんじゅ先生の絵はかわいらしくて臨場感があって、もしお願いできたら夢のようだなと思いました。あんじゅ先生を通じてご紹介いただいたのが編集の大川さんだったんですが、大川さんはすごくまっすぐで一生懸命な方。私の肌を見るなり「どういう生活をしたらそんな肌になれるんですか!? 膣と美容の関係、もっと教えてください!」と興味をもってくれて、そこから本格的に企画を考え始めてくれたんです。
山口さん
聞き手
女性3人チームの楽しそうな雰囲気、マンガからも伝わってきました。
企画が通ってからは毎日のように会って話していたので、もう娘みたいな感覚(笑)。あんじゅ先生も大川さんも膣ケアを実践して、どんどんキレイになっていくのがわかりました。
山口さん
聞き手
本づくりでとくにこだわったポイントは?
目指したのは、誰でも最後まで読みきれる本。あんじゅ先生にもそうお願いして、各パートを短く簡潔にするなどして読みやすくしました。あとは医師の先生方に全章を監修いただき、途中途中でグラフを入れたりして科学的根拠を伝えることにもこだわりました。
山口さん
聞き手
わかりやすさと情報の正確性、両方を大切にしたということですね。あんじゅ先生のマンガは親しみがあってとてもわかりやすかったです。膣のキャラクターが出てきたり。
「読者のみなさんにはとにかく自分の体を知ってほしい」と伝えたら、体の構造がわかるように全部イラストにしてくれて。あんじゅ先生と大川さんのおかげで、私の想像を500倍くらい上まわる最高の本になりました。教科書として使うことはもちろん、私の会社の商品につけて販売先に配ったり、講演先の企業に寄付したり、もう日本中の一家に一冊ずつ「膣バイブル」として置いてほしいくらいです!
山口さん
聞き手
膣バイブル! いいですね。この本があれば子どもにも教えやすそうです。ちなみに、この本で紹介している膣ケア・膣トレのなかでも、まず実践すべきなのはどれですか?
まずは「膣を動かす」ことをやってみてほしいです。座っていても立っていてもいいので、とにかく締めてみる。最初のうちは膣だけを締める感覚がわからなくても、膣の存在を意識することが第一歩です。次は「清潔にする」こと。正しい洗い方をして、血流アップのマッサージまでできたらバッチリ。
山口さん
聞き手
血流というキーワードは本にもたくさん出てきますね。
ホースがぎゅっと潰されていたら詰まるのと同じで、体内の管を開いて血流をよくしないと詰まって不調が出てくるんです。血流をよくする最大の方法は、動かすこと。動かすことを習慣化すればだんだん筋肉もついてきて、尿もれなどのトラブルが改善されます。腕立て伏せや腹筋などの筋トレとメカニズムは同じです。
山口さん
聞き手
なるほど、そう考えると理解しやすいです!
股関節をやわらかくすることも、骨盤まわりの血行促進につながります。おすすめは本でも紹介している「カエル足」。大きめの歩幅で歩くのもいいですね。私は体がすごく硬いんですが、毎日カエル足をやり続けたので股関節だけはやわらかいんです。ダイエットと同じで、日常のなかで無理なくできることを長く続けることが、膣ケア・膣トレのポイントです!
山口さん