新生活当初は丹念にレイアウトを考えてつくり上げた部屋も「狭いからこれ以上インテリアに凝ってもしょうがない」と片付けが面倒になって野暮ったくなってはいないでしょうか。部屋があか抜ける法則を知れば、再び居心地がよい空間を取り戻すことができます。
1回目のひとり暮らしはまだ私がまだ20代だった頃。 当時住んでいたマンションは元々女子寮だったところをワンルーム賃貸マンションとして貸し出していた場所でした。部屋を借りたときから年季の入った茶ダンスと食器棚が既に備えつけられていました。 結局はじめてのひとり暮らしは1年も持たずに止めてしまいました。 それから長い時を経て2年前、16年ぶりに2回目のひとり暮らしをはじめることになりました。 前回の反省をふまえ、部屋のインテリアは色の統一を第一のテーマに掲げて入念に家具選びをおこないました。 目次 その甲斐もあって、引っ越してから1ヶ月も経つ頃には自分の部屋を理想に近いダークブラウン系の落ち着いた空間に仕上げることができました。 そんな2回目のひとり暮らしをはじめてからもうすぐ2年が経ちます。 狭いワンルームに物を買い足すたびに収納先がなくなり、クローゼットに収まりきれない洋服や小物が床を占拠。引っ越してきた当時のあのスッキリした空間はどこへやら。いつのまにか生活感にあふれた野暮ったい部屋に様変わりしてしまいました。 家族や友人に「ひろみさんの家に行ってみたい」と言われても「部屋は狭くて座る場所がないから…(ムリです)」とやんわり断る始末。 毎日を必死に暮らしているあいだに徐々に失われていた、わたしの理想の空間。 その中からひとり暮らしの部屋にすぐ使えそうなアイディアを3つ挙げてみます。 RULE8 同じモノを3つ並べるだけでいい 棚の上になにもない空間があると何か飾りたくなります。そこでほとんどの人は空間の真ん中になにかひとつメインになるものをドーンと置いてしまうのではないでしょうか。 そこで著者の荒井さんがおすすめするのが、小さめなローソク3つ、小さな一輪挿しの花瓶と花を3つなど同じものを3つ並べること。1つや2つではなく3つ。そのほうが空間にリズムが生まれるそう。 100円均一のお店に行けば棚に飾れるアイテムはすぐに手に入れられそうなのでさっそくやってみたくなりました。 RULE15 ラグを敷くと区切りが生まれる (P108) 1回目のひとり暮らしのときはワンルームにカーペットが全面に敷かれた部屋だったのでその上にさらにラグを敷く必要性を感じませんでした。 2回目のときは床がフローリングだったので、ラグの重要性には気づいていました。 ラグを選択する決め手となったのは、 ・さわり心地のよい素材であること 様々な角度から検討した結果、毛なみが柔らかい芝生に似た緑色のラグを購入しました。 ワンルームでは食事を作る空間、生活空間、寝る空間に区切りをつけにくいのが悩みのタネです。 部屋のレイアウトを熟考した結果、食事を準備する空間と生活空間にはスタッキングシェルフを収納兼仕切りにし、生活空間と寝る空間を明確に分けるため部屋の中央にラグを敷きました。 手触りのいいラグを敷いたことで、部屋に帰ると真っ先に靴下を脱いでラグの上では裸足で過ごすのがいつものスタイルです。 ラグを敷くと、ハウスダストが舞い上がりにくくなることが実証されている(P112) ラグはダニの温床になりそうなことが心配でしたが、目に付きやすい場所でもあるので意外とこまめに掃除機をかけたくなります。ラグは部屋の色のアクセントとして重要なだけだと思っていましたが、敷いているだけでハウスダストが舞い上がりにくくなる効果があるとは新たな発見でした。 この春から新しい生活がはじまる人も多いのではないでしょうか。 新生活を始めるときって月々の家賃の負担だけではなく敷金・礼金・引っ越しなどにかかる初期費用にも何十万という単位でお金がかかります。 これから新生活をはじめる人は、インテリアはどこに重点を置いたらよいのかあらかじめわかっていればとりあえず買うべきものが明確になります。 もう何年も自分の部屋を野暮ったいまま放置してしまっているわたしのような人は、張り切って新たなアイテムを買い足さなくてもこれまでより居心地がよい空間を手に入れることができます。 実はこの本を最後まで読み終わらないうちからもう部屋の片付けから始めたくなっている自分がいました。 中途半端な買いものをしてムダなアイテムを増やしてしまう前にこの新刊を読むことからはじめてみてください。 ひとり暮らしのワンルームか家族と暮らす家なのかによってできることは限られますが、数ある「あか抜けた」部屋になる法則の中で実践できることからひとつずつやっていくと自然と素敵な空間ができあがります。 わたしには美的センスがないからムリ!と諦めてしまう前に、いつも居心地がよくて自信を持って友人を部屋に招待できる「あか抜けた部屋づくり」をあなたもはじめてみませんか?
わたしはこれまで2回ひとり暮らしを“はじめた”ことがあります。
少し背伸びをしてJR山手線の内側の家賃の高いエリアにワンルームを借りていました。日々の生活は毎月の家賃と生活費をまかなうことで精いっぱい。部屋のインテリアにまではなかなかお金をかけられない生活を送っていました。
その他に必要に応じてTVラックやベッドなどは追加で購入したのですが、全て価格重視で選択。
家具はスチール製あり、木製ありの全く統一感のない状態。
元々自分で選んだものではなく、ただかき集められた家財道具で埋め尽くされた部屋には一向に愛着が湧きませんでした。
もし当時の自分の部屋にもっと愛着を持てていたら、こんなにあっさりとひとり暮らしを止めてしまうことはなかったと思います。
メインの家具となる本や小物を飾る棚、ベッド、TVボードと机の天板はこげ茶色で統一。
カーテン、布団カバー、クッション、小物は青系統で統一。
家具についてはインターネットでひたすら情報収集。ひとつひとつ納得のいくまで求めるこげ茶色のアイテムを探しまわりました。時にはメジャーを持って実店舗に足を運んで自分の目で見てからオーダーすることも。「今度こそ自分が好きになれる部屋をつくるんだ!」
いや、本当は2,3人座る場所くらいはあるのです。現在の自分の部屋の崩壊したありさまを人様に見せられる自信がもはや、ない。狭い部屋に余計なアイテムは増やしたくない中でいまからできることは何だろう?
新刊『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』には「こうすればあか抜ける」という部屋づくりの具体的な方法がイラストの解説とともに紹介されています。
――(中略)――
同じモノを3個飾ると、トン・トン・トンというリズムが生まれます。(P78)
・丸洗いできること
・家具で統一したこげ茶や青になじむカラーであること
・口コミで購入者の評判がよいこと
(文:栗原ひろみ)(画像提供:iStock.com/bee32/takasuu/recep-bg)
この記事は、”今あるもので「あか抜けた」部屋になる。” 荒井詩万(著) の新刊コラムです。
今あるもので「あか抜けた」部屋になる。
荒井詩万(著)
1300円+税
センス、お金、広さ、全部いらない。