キングコング西野亮廣さんは、絵本「えんとつ町のプペル」を2019年に映画化し、「ディズニーを倒す」と宣言!!いったいどのようにして、お笑い芸人の西野さんは、映画作りまでたどり着いたのでしょうか?
目次
アウトプットする場をかえる

2012年12月、西野さんは自身のTwitterで、「ひな壇に座らない」と宣言しました。
世間で「炎上芸人」と言われだした頃です。
西野さんは、スポンサーや芸人の序列等でしがらみが多いテレビという発信する場を捨て、自由に自分の意思を表現できるSNSやオンラインサロンにアウトプットする場を変えました。
毎日のように西野さんの動向は、Yahoo!ニュースでとりあげられ話題になります。
クラウドファンディングで資金集め
西野さんは2015年に絵本作りにとりかかります。
絵本作りは「1人でつくるもの」というのが業界の常識でしたが、西野さんは35人のクリエイターと一緒に「分業制で作る」という斬新な執筆方法で話題となりました。
それだけの人数でつくるため、制作費がかかります。
そこで「クラウドファンディング」を利用し、一般の人から資金を調達します。
絵本の売り方も、インターネットで全ページを無料公開するという前代未聞の販売戦略を選びます。
「お母さんは絵本の中身を知ったうえではじめて安心して子どもに買うことができる」という、絵本を買うお客の気持ちに寄り添った方法です。
お母さんたちは、本屋に行かずして、ネット上で立ち読みができ、「絵本の読み聞かせ」をするために「モノ」として絵本を購入するのです。
結果、クラウドファンディングで約1万人から約5,600万円の資金を集め、2016年に絵本「えんとつ町のプペル」を完成させ、通常5,000部売ればヒットと言われる絵本業界で、370,000部の大ヒットを生み出しました。
オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」で情報発信

西野さんが運営するオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は、会員数を8,000人を超え、国内最大級のオンラインサロンとなっています。西野さんはさまざまなプロジェクトを動かしており、新しくスタートさせるサービスの開発や意見交換が、日々、行われています。
活動を「見る」だけも可能ですし、「開発会議」という秘密イベントにも参加したり、積極的に「つくる」側にもなることができます。
サロン内で西野さんは毎日投稿していますが、西野さんの情報発信の一方通行ではなく、サロンメンバーに意見を求めたり、コメントしたりと、双方のやりとりも行われています。
西野さんは、サロンメンバーもアウトプットしやすいように、質問を投げかけたり、仕事をつくったりして、ただの「見学者」ではなく、「いっしょに作る側」にしていく仕組み作りもしています。
西野さんとサロンメンバーだけのやりとりであれば、メンバーが増えれば増えるほど、関係性は薄まっていき参加者意識が下がってしまいます。しかし、「いっしょに作る側」が増えることによって、サロンメンバー同士のコミュニケーションが増えてきます。
そのため、「西野亮廣エンタメ研究所」はどれだけ人数が増えていっても、参加者意識が下がることがなく、むしろいろんな職業、年齢の人が参加することにより、できることがどんどん広がっています。
「発信力」が「信用力」となる

なぜ、西野さんはこれほどまで売れるのでしょうか。
西野さんは、ブログ・Twitter等のSNSをはじめ、オンラインサロンなどのメディアを通して、自分の意思を明確に表現し、アウトプットを続けています。
西野さんの発信には、嘘がなく、行動し結果を残しています。その結果、「信用」が集まってきます。
お金とは、「信用」を数値化したもの。
「発信力」が「信用力」になって、ファンが増え、資金が集まってきます。
その結果が、西野亮廣の絵本「えんとつ町のプペル」が2019年に映画化への挑戦につながっていきました。
アウトプットが人生を変えていく

「 空気を読む」って言葉が使われるように、人の顔色ばかりうかがって生きる人が多くなってきています。会社や世間の視線を気にして、自分の思ったことも口にしづらい。
そんな中、どんな権力にも物怖じせず、自分の意見をはっきり表現し続ける西野さんの姿に、勇気と希望を見出し、共感しファンになって行く人が多いのではないでしょうか。
西野さんは、SNSやオンラインサロンを通じて、アウトプットを積極的におこない、信用をつけ、仲間を増やし、行動できることをどんどん増やしていっています。
私たち、一人一人も変わっていくことは可能なのです。
その重要な鍵となるのが「アウトプット」です。
本書「アウトプット大全」に書かれていることに沿って考えていきます。
個人の発信でも勝てる時代
インターネットにより、時代はますます個人の発信する影響力が強くなってきています。
個人の発信でも、世の中に届けやすい環境になっているのです。
大きな会社にぶら下がって生きていればよかったのは、過去の時代の話です。副業が認められつつある今の時代、会社の信用ではなく、その人個人の信用を勝ち取っていく時代なのです。
まずは、自分の意思を表明するところからアウトプットをしていき、信用を勝ち取り、共感する仲間を増やし、資金をあつめ、自分らしく生きていく生き方をしていきませんか。
アウトプットの重要性
「インプット」とは、読んだり書いたりすることで、脳の中に情報を入れることです。
「アウトプット」とは、話したり書いたりすることで、情報を処理して外界に出すことです。
インプットすると、脳の中の情報や知識が増え、「脳内世界」が変化するだけなのです。
人はアウトプットして初めて「現実世界」を変えることができるのです。
「勉強しているのに成長しない」原因とは
大学生を対象に、勉強時間のうち「インプット」(教科書を読む)と「アウトプット」(問題を解く)をそれぞれどのように時間配分して勉強しているかを調べた研究によると、インプット対アウトプットの平均的な比率は7対3でした。
社会人に対しても調査をしたところ、同じような結果になりました。
ほとんどの人がインプット中心の勉強をしているのが現実です。
つまり、インプット過剰でアウトプット不足になっており、「勉強しているのに成長しない」最大の原因になっています。
アウトプットがしあわせな生き方につながる
「アウトプット大全」には様々なアウトプットのやり方や考え方が書かれています。
まずは自分にあったアウトプットからはじめてみるのはどうでしょうか。
Twitter、FacebookなどのSNSに投稿してみるのも良いでしょうし、ブログをはじめてみる、もしくは自分だけしか見ることがない日記に書いてみるのも良いでしょう。
自分の意思をアウトプットすることによって、自分の意思も明確になり、より強いものになります。アウトプットをすればするほど、インプットも増えていきます。
アウトプットによって、あなたの魅力・能力が多くの人に広がり、あなたは適切な評価を受け、信頼され、人間関係は豊かになっていき、しあわせに生きることにつながっていきます。
まずは、小さなアウトプットからはじめていきましょう。
(執筆:金釘 誠)
(画像提供:iStock.com/mikkelwilliam/BrianAJackson/RichVintage/miriam-doerr/pixelfit)
この記事は、”学びを結果に変えるアウトプット大全”樺沢紫苑(著)の新刊コラムです。

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樺沢紫苑(著)
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