人気女優やモデルも絶大な信頼を寄せる、ビューティーアドバイザーの新居理恵。彼女が研究を重ねて考案した「軟部組織リリース」は、「皮膚のゆがみ」に着目したエステメニューだ。皮膚のゆがみにアプローチすることで、体にどんな変化が起こるのだろうか。
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ヤセないのは、皮膚が“ゆがんでいる”から

20代のころはダイエット中毒。顔がむくみやすく、太ってはヤセて、ヤセては太っての繰り返し……。ここまで聞くと、「それって私のこと?」と思う方も多いのでは。でもこれは、多くの女性を理想的な体型に導く痩身クリームや技術の開発をする企業を経営し、「皮膚ねじりダイエット」の著者でもある、ビューティーアドバイザーの新居理恵の話だ。
新居は自らの悩みもあり、エステメニューを研究。まずは筋肉をおおう膜である筋膜に着目した、「筋膜リリース」を開発した。タレントや女優、グラビアアイドルとして活躍する人気女優やモデルも愛するメニューだが、一部の人からは「エステに通ってもヤセない」「痛くてできない」と言われることもあった。
そこでさらに研究を重ね、着目したのが「皮膚のゆがみ」。いくら骨格を整えても、筋肉をほぐしても、全身をおおう皮膚そのものがゆがんでいると意味がないことに気づいた。
そして医師監修のもと、プロ野球チームの顧問トレーナーである松岡一儀氏、人気エステティシャンの小田実世子氏とともに開発したのが、皮膚のゆがみにアプローチする、「軟部組織リリース」。今回の本「皮膚ねじりダイエット」は、その「軟部組織リリース」を誰でも自宅でできるようにアレンジしたものだ。
ゆがむのは骨格や体だけじゃない

だれかに、シャツの袖を引っ張られて形が崩れたら、元に戻しませんか?
ジャケットを着たあと、しっくりこなくて形を整えることはありませんか?
じつは人間の皮膚でも、同じことが起きています。
いつも、同じほうの手でカバンを持ったり、脚を組んで座ったり、ずっと下を見ながらスマホをチェックしたり……。
こんな習慣を続けていると、皮膚は正しい位置からどんどん離れていき、一箇所にかたよっていきます。
でも皮膚は服のように自分でサッと元に戻せないので、ゆがんだ皮膚は間違った位置でくっついてしまうのです。これを「癒着」と呼びます。
(「皮膚ねじりダイエット」p20-21)
皮膚は日常生活の様々な姿勢や動きによってゆがみ、それが癖になることで皮膚のすぐ下にある浅層筋膜にも影響を及ぼし、血流やリンパの流れが悪くなる。
その結果、代謝が上がらず、運動してもマッサージしても、ヤセにくい体になってしまうのだ。
皮膚をねじると、なぜヤセるのか
人間の体は大まかにいうと、皮膚→浅層筋膜→深層筋膜→筋肉→骨、と表面から順に構成されている。つまり筋膜や筋肉、骨のゆがみにアプローチする前に、皮膚を正しい位置に移動してあげる必要がある。
本書で解説されているメニューはどれも、本当に自宅で簡単にできるものばかり。本当にこれが、効果的なのだろうか? 「軟部組織リリース」の監修に携わる山口修司医師はこうコメントしている。
整形外科の視点からは、筋肉の血行改善、関節の可動域の改善に役立つといえるでしょう。内科の視点からは、血液循環がよくなり、リンパの流れも改善されますし、それにともない新陳代謝がアップし、多くの相乗効果を期待できます。また、細胞の活性もうながし、再生医療の観点からも役立つメソッドだといえます。
(「皮膚ねじりダイエット」p28)
このように、筋肉や骨より前に皮膚にアプローチしてあげることで、よりそれぞれの改善が期待できるというわけだ。何かひとつだけよりも、皮膚、筋肉、骨とそれぞれアプローチすることで、相乗効果が期待できる。
血流やリンパの流れが滞ると、むくみや冷え、代謝の低下などを招く。つまり、それを解消して、栄養素や酸素が毛細血管の先まで行き渡ることで全身が活性化、ヤセやすく太りにくい体になることが期待できるのだ。
ヤセる以外にもいろんな嬉しいことが

憧れの、マシュマロみたいなやわらか美肌に
皮膚が正しい位置に戻ることで、筋肉に癒着して寝ていた毛細血管が起き上がり、ふわふわしてマシュマロのような肌に変わっていきます。
(「皮膚ねじりダイエット」p26)
カーペットに掃除機をかけると空気が入り込むことでふわふわになるように、皮膚でも同じことが起きる。特に女性にとっては、触り心地の良い肌というのは誰もが憧れるもの。内側だけでなく、外側にも相乗効果が表れるのは嬉しい。
不調の緩和にも効果的
浅層筋膜の癒着が取れて、筋肉などがゆるみ出し、その伝達が深部に伝わり、骨の位置が正しくなると、さらに奥にある内臓も正しい位置に戻っていきます。すると内臓や筋肉などすべてが調子よく動き出します。その結果、肩コリ、首コリ、便秘、むくみ、冷え、胃腸の不調、頭痛など、多くの不調がやわらぐのです。
(「皮膚ねじりダイエット」p26)
もちろん、体の不調すべての原因が皮膚にあるとは言えないが、もし皮膚の癒着があるのであれば、それを解消することで不調がやわらぐ可能性がある。むしろ、皮膚がそれだけ体にとって重要な役割を担っているとは驚きだ。
女性は特に日頃皮膚に関しては、「日焼けしたくない」「シワやシミを消したい」「傷や跡が気になる」など、表面的なことが気になりがちだ。
しかし、目に見える部分で判断するばかりではなく、皮膚の位置、目に見えるよりもっと奥にまでアプローチしてあげることが大事。なぜならそれによって、「ヤセやすい体質」「マシュマロみたいなふわふわの肌」といった、多くの人が憧れる体を手に入れることができるのだ。
「私には関係ない!」と思った人もいるかもしれないが、皮膚の癒着自体は本当に多くの人に体に起きていること。美容以外にも効果が期待できる「皮膚ねじりダイエット」を、ぜひ実践してもらいたい。
(文 鈴木 梢)
(画像提供:iStock.com/PeopleImages/AH86/electravk/PeopleImages)
この記事は、”皮膚ねじりダイエット”新居理恵(著)・山口修司(監修)の新刊コラムです。

皮膚ねじりダイエット
新居理恵(著)・山口修司(監修)
1,100円+税
