無一文旅、スラム街潜入ーー破天荒YouTuberの「瞬発力の高め方」

無一文でアメリカを横断、スラム街に潜入、西成でホームレス生活──テレビ番組では到底できない挑戦を続け、YouTubeで配信しているのが、ジョーブログ ジョー。芸能人ではない彼が多くの人に支持され、多くの視聴者を集める秘密は何なのだろうか。

動画投稿サイト「YouTube」で自ら制作した動画を継続的に投稿、活躍する投稿者たち。彼らのほとんどが、芸能界で活躍するような有名人というわけではない。

「じゃあ元々人気のある芸能人が投稿をすれば、すぐに人気を集めてしまうのでは?」と、最近はすでに有名な人たちがどんどんYouTubeに進出してきているが、一気に配信が人気を集めているなんて話はなかなか出てこないもの。

ジョーブログ ジョーのチャンネル登録者数は、2018年4月現在で約110万人。元々テレビや雑誌などで話題だったわけではない“一般”の彼がそれだけ人気を誇るのには、様々な理由がある。

“テレビじゃやらない・できない”ことをやっている

テレビでも見れるようなことやってもダメ

ただ、“人がやらないこと”をやる。
ということは
“人がやってること”を、まず知らないといけない。
(「瞬発力の高め方」p76)

ジョーが投稿するのは、無一文でアメリカを横断、北朝鮮やスラム街への潜入、大阪・西成でのホームレス生活──無謀とも言える挑戦を、自身で行い、その様子を動画として撮影している。

かつてテレビ番組でも無謀なことに挑戦するようなものはあったが、今ではなかなかそれはできない。今ではできることに制約があったり、所属事務所の意向があったりと、できることもスピード感も違う。

だからこそ芸能人もYouTubeだけでなくAmazonプライムやNetflix、AbemaTVなど、テレビではなくインターネット配信であらたな挑戦もしているが、やはり自分で制作して自分で投稿するYouTubeほどのスピード感は出せないし、視聴者の反応も吸い上げきれない。

そういったところとも差別化して、ジョーやYouTubeの投稿者たちはコンテンツの試行錯誤をしている。

極論、数字を気にしなくたっていい

ジョーは、友人に勧められてYouTubeを始めるまでは(というより始めてもしばらくは)、「ユーチューバーって響きダサいやん」とか思っていた人。

最初はどうすればいいかわからないまま“カッコいい自転車の乗り方”という動画を投稿し、数字が伸びず、渾身の旅の動画も、数字が思ったように伸びず…。でも、それができるのがYouTubeのいいところ。

試行錯誤して動画を作って投稿して、ぜんぜん人に見られなかったとしても、また作って投稿して、研究して投稿して、テレビとは違い視聴者の反応をコメントや数字で見ながら、コンテンツの改良をしていくことができる。

テレビであれば常に数字をとれる番組を作り続ける必要があるが、YouTubeでは数字がとれてもとれなくても、本人の試行錯誤の種になるだけ。それで誰に叱られるわけでも、番組が打ち切りになるわけでもない。

だからこそジョーは常に自由に挑戦し続けている。視聴者のため以上に、自分の欲求のために挑戦しているのだ。

まずはとにかくやってみている

そもそもYouTubeのためじゃなく、やりたくてやっている

ジョー以外の人気投稿者たちも何かに挑戦しているという人が多く、視聴者はその“生感”や“誰かにやらされていない感”などに、魅力を感じ、引き込まれていく。

芸能人であれば先にも書いたように事務所の意向やブランディングなどもあり、本人の「やりたい」だけでどうにかなることばかりではない。

でもYouTubeの投稿者たちは自分が「やりたい」「面白い」と思ったことに突き進めばいいわけです。それこそ、いつやめたっていい。

現状に満足しない

なんで平凡なやつは、なかなか平凡から抜け出せないのに、
成功している人は、どんどん成功していくのか。
彼らの話を聞いたり、観察しているとわかる。
成功する人はみな、ある意味、ポジティブじゃない。
自分の現状に満足していないから。
(「瞬発力の高め方」p117)

自分をもっと満足させてくれることを貪欲に
探し続けていれば、
やりたいことなんて無限にあふれてくる。
(「瞬発力の高め方」p120)

ジョーは常に、現状に満足していない。ほかの投稿者たちもそうだろう。特にジョーは元々、YouTubeでの投稿を始める前から死にかけるような思いをする旅などの挑戦をしていて、YouTubeを目的にばかり挑戦をしているわけじゃない。常に自分を満足させるために挑戦をし、その様子を動画にしたものに多くの人が注目し、支持している。

自分自身についてよく考え、知っている

不自由さによって自由になってきた

ここまではジョーがYouTubeの投稿者としてどのような特徴があるかという話だったが、そもそもジョーには大切な人の死や無一文旅、ホームレス生活などを経て、たくさん得て、失ったものがある。

たとえば丸2年ものホームレス生活を通じて、「見返りの期待」や「他人との壁」がなくなり、さらには「所有欲」「時間の不安」「移動の制限」がなくなった。

どれもなくなったものだが、それによってジョーは自由になった。

ぽんと自分を放り込んでみたらいいんじゃない。
ダメだったら戻ってきても、それくらいの簡単な考えで。
生活レベルの上がったり下がったりに
ビビっている人は多いみたいやけど、
そこはもっと情報に触れてみて、
おもろい人と会いまくって、
とらえ方を変えてみてほしい。
(「瞬発力の高め方」p137)

ジョーは不自由によって自由になってきた。無一文の旅だって、ホームレス生活だってそうだ。

目的を絞り、行動をシンプルにしている

かの歌手とか、かのCEOとかが「おはよう」みたいなことをつぶやくだけで、いいねがリプがリツイートが、ものすごいことになる。
なんで?
自分よりしょうもないこと言ってるのに。
それはそう。
世の中は
「なにを言うかより、誰が言うか?」
「なにをするかより、誰がするか?」で回ってる。
同じことをしても有名、無名では価値がまったく違う、
という事実から目をそらしてほしくない。
(「瞬発力の高め方」p202 )

あらゆる挑戦をしているジョーも、ただ無茶苦茶に体当たりをしているわけではない。まず目的があって、やりたいことが目的にどう作用するのか、目的のために何をやるのか……それが大切だ。

人の時間は有限で、できることには限りがある。だからこそ目的を絞り、行動をシンプルにすることで、より遠くへ、高みへ行けるのだろう。
(文 鈴木 梢)

 

(画像提供:iStock.com/RichVintage/RichVintage/sompong_tom/val_shevchenko)

この記事は、”瞬発力の高め方”ジョーブログ ジョー(著)の新刊コラムです。


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