10キロやせた美容ライターが直伝 好きなことを仕事にする方法/岩倉陽子

元美容オタク・現美容ライターが、シリコンバレーの成功者たちからの学びを経て、挫折やコンプレックスを乗り越え、自分らしいライフスタイルへとたどり着いた軌跡をご紹介。自分がいちばん好きなことを仕事にする具体的なステップをお教えします。

シリコンバレーの億万長者に教えてもらったこと

挫折を経て、「幸せとは何か?」を知るためにシリコンバレーへ

英語が好きで、大学時代には留学せずTOEIC900点を取り、「自分は学校に行かないで遊んでいる大学生とは違う」という自信があったのに、就活では全滅して、どこにも決まりませんでした。
大学卒業後は、知り合いのツテで入社したベンチャー企業で新規事業の立ち上げに携わりましたが、2年で倒産。「ベンチャーで上場してやる!」という野望も叶わなくなり、「私のがんばり方って間違っていたの?」と方向性を見失っていました。

失意の中で転職活動をしていたときに、「シリコンバレーで通訳を探している」という話をもらいました。「何が人間にとって幸せなのか?」「もしベンチャーであのまま成功したとして、仮にお金が手に入ったとして、私は幸せだったのか?」などといろいろ迷っていた私は、成功者たちのいるシリコンバレーへ渡ることを決めたのです。

職場は、500Startupsというベンチャーキャピタル。お金をたくさん持っている成功者たちが、世界中のおもしろそうなベンチャーに投資をするという仕組みを持っている会社です。世界中で翻訳されている本のベストセラー作家が社内を歩いていて、普通に話しかけてくれるような環境でした。

そこではたくさんの成功者に会いました。言い方や表現は人それぞれでしたが、結局みんな同じようなことを言っていると感じました。
これはスティーブ・ジョブズの言葉ですが、「本当に好きな物事しか続けられないと確信している。成功するためには、まずあなたが本当に好きなことを探しなさい」−−。

「事業を起こした際、どうしたらメンバーが、辞めないで一緒にがんばってくれますか?」という私の質問には、ある人がこう答えてくれました。「『儲かる話があるよ、すごいプロダクトがあるよ』といわゆるうまい話を持ちかける、例えるならば、花火大会で大きな花火を打ち上げるようなことをしても、一時的に人は集まるが継続はしない。
それよりも、キャンプファイヤーのように『ここには火があるから暖かそう』と自然に人が集まってくるような、いいプロダクトや会社を目指しなさい」−−シリコンバレーの成功者から聞いた中で、これがいちばん印象的だった話です。

本当に好きなことの見つけ方

今の生活で改善したいポイントを洗い出す

成功者たちに「本当に好きなことを探しなさい、仕事にしなさい」と言われても、当時の自分は「能力や才能もあるし、お金持ちで余裕があるから言ってるんでしょ?」と思っていました。でも、帰国後も彼らの言葉がずっと気になっていて、いつしか、自分も好きなことを探し始めるようになりました。

好きなことの探し方は、大きくわけて2つあると思います。ひとつ目は、理想のライフスタイルを想像すること。どんな1日を送りたいか、改善したいこと、あるいはなくしたいもの、自分の周囲にあってほしいものなどを、詳しく想像しましょう。

そして2つ目は、理想の自分を想像すること。どんな自分になったら、毎日楽しい? ジャンルは何が向いている? 個人事業主なのか、それとも会社を興すのか? なんとなく頭にあるイメージを、具体的な方法へとさらに深掘りしていきましょう。

私の場合、まず改善したいことを挙げていきました。当時の私は楽天で働いていたのですが、毎週火曜朝8時からの朝礼がとてもつらかったです。とにかく昔から朝がすごく弱くて、火曜日の朝がこなければいいのに、朝起きれないということを証明できる病気があればいいのにと思っていました。
また、体力もあまりないので、定時のある働き方や、満員電車や通勤なども改善したいポイントでした。他にもボーナスなどのお給料面、評価のされ方、人間関係などのいろいろな改善したいことを挙げていきました。

そのうえで、理想のライフスタイルを想像してみました。まず収入は、自分がやった分だけもらえること。そして、時間と場所の制約がなく、好きな場所で好きなように働けること。私はマイペースなので、やりたいときにはしっかりやり、疲れたときにはゆっくりできるほうがいい。理想は、「目が覚めたときに起きられる仕事」でした。

でも、ここまで想像してみても、それが実現する仕事が何なのかがわかりませんでした。当時付き合っていた彼に思い切って相談してみても「目が覚めたときに起きるって、ニート?」と返されたり。なかなか具体的なイメージも思いつかず、もやもやしながら会社に通っていました。

コンプレックスの裏返しだった「理想の自分」

ライフスタイルだけでは具体的なイメージにたどり着かなかったので、次に、理想の自分を想像してみました。私の理想は「きれいですごい人」。それは一体どんな人なのかを考え、要素を一つひとつ深堀りすることに。きれい、やせている、モデル、ワンピースが似合う、肌がきれい、上場企業で働いている、雑誌に出ている、表彰されている……と、思いついた要素をとりあえず全部やってみることにしたのです。

まずは、すぐにできそうなダイエットを始め、10キロの減量に成功しました。さらに、上場企業の楽天で働き、そこで表彰を受け、読者モデルの仕事を始め、美容やおしゃれを研究。思い描いたことを全部達成していきました。

しかし、達成してみて気づいたのですが、これらは全部、コンプレックスの裏返しだったのです。私の母親は、外資系の生保会社で世界の上位5%に入るトップセールスで、世界大会で表彰されるような人でした。たとえば、私が平均点60点のテストで80点を取っても、間違った20点を責められるということがありました。

今思えば母に悪気はなくて、それは愛情だとわかりますが、その頃の私は「どうしたら褒めてもらえるかわからない、私は何をやっても認められない」という気持ちが募り、いつしか「みんなができなそうなことをやったら認められるのではないか」という考えになっていました。
集中して仕事をこなし、終わったら読者モデルをやっている雑誌の撮影や飲み会へ。コンプレックスを見られないように、キラキラしている様を“演じて”いる……そんな自分に、達成してから気がついたのです。

あるときふと「これ、誰のためにやっているんだろう? 誰を幸せにしているんだろう?」と思うようになりました。誰かから憧れられるような自分になったところで、結局、誰のことも幸せにしていないし、自分も幸せではなかったのです。

そのときに思ったのが、自分を変えてくれた美容のこと。私が人前に自信を持って出られるようになった最初のきっかけは、ダイエットであり、美容でした。だから、自分に自信がなくてあきらめてしまっている女の子たちに、「私もあんな状態からのし上がってきたんだから、あなたにもできるよ」と伝えられる仕事ができたら素敵だと思ったのです。

そこで浮上してきたのが「美容ライター」の仕事でした。美容にかかわれるし、新作発表会に行ったら大好きなコスメがもらえることもある。何より、女の子に向けて情報発信ができる。私の文章で誰かが助かるかどうかはわからないけれど、そんな仕事をしている自分が好きだと思える。そして、時間と場所の制約がなく、自由に働けるというのも魅力的でした。

私は、きれいですごい人になって、輝きたいとずっと思ってきました。でも人と私の輝き方は違うし、輝く方法は人ぞれぞれ、だから本当に私が望んでいることって何? と自分らしさを大事にできたときに、答えが見つかった気がします。

私の場合はこういう形で見つかりましたが、好きなことや理想の働き方、大事にしている価値観は人それぞれです。組織で働いて、安定して固定給をもらえる方が幸せだと人もいるでしょう。

そして、好きなことは、何も「素晴らしいこと」でなくてもいいと思います。最新のスポットに行くとワクワクする、感謝されたときに満たされる、新しい人に会うことが好き、人の話のポイントを整理するのが得意、料理、お酒、ペット、エステ、ネイル……いろいろあると思います。理想を思い描く中でもやもやしているときには、人に聞くのもいいと思います。

自分だけの強みをつくる方法

強みと弱みを整理、アウトプットでさらに明確に

自分だけの強みをつくるには、まず自分の強みと弱みを整理しましょう。私の場合の強みは、エステサロンに通わず10キロやせられたということ、海外のメディアから最新の美容情報をキャッチできる英語力、そして、楽天ではTVCMや電車広告のリサーチなどにも携わっていて、マーケティングや商品開発の知識もあったことでした。

逆に弱みは、働くうえで男性に体力的に敵わないこと、身長が147センチしかないので、着こなせる洋服に限りがあり、ファッションのモデルとしては難しいこと、それから、美容以外のジャンルへの成長意欲が乏しく、バランスが取れていないことだと思いました。

そして、アウトプットすることで、結果的にそれが強みか弱みかが明確になります。私の場合、「海外のトレンドに詳しい」というのが強みだと思っていたので、美容のライターの仕事を始めた当時、海外メディアの記事を参考にし、海外美容最新トレンドについての記事を書きましたが、全然ヒットしませんでした。
それよりも、「10キロやせた」という体験談の記事のほうがヒットし、「自分は“英語力”よりも“10キロやせた経験”が強みである」ということがわかったのです。

強みを収入に変えていった具体的なステップ

次に、強みを収入に変えていった具体的なステップについてお話しします。
まずはアメブロを始めました。書くことがないというか、何を書いたらいいかわからないときは写真だけの投稿という日もありましたが、最初は趣味でずっと続けていました。それから、サロンモデルや読者モデルになり、ブログを通じてブロガーの友達ができたりしました。

ここまではお金になっておらず、ただの“美容オタク”でした。でも、美容ライターの仕事に応募するときに、それまでのアメブロの記事が役に立ったのです。そして、ダイエット記事がヒットしたことでライティングの記事が増え、収入も増えていきました。好きだからなんとなくやっていたことが、結果的に仕事につながったのです。

私を変えた「10キロダイエット」

10キロやせたら、世界が変わった

太っているときは、やせたいと思っているのに食べてしまい、食べれば食べるほど自分のことが嫌いになっていって、勝手に卑屈になっていました。でも、やせてからは自分に自信がつき、「私でもやればできるんだ」「がんばればできるかもしれない」と思えるようになったのは大きな変化でした。

考え方も変わりました。太っている頃は「誰かに太らされている」という被害者意識のようなものがあり、体質や遺伝子のせいにしてみたり、母がたくさん料理をつくってくれるせいだと、自分への言い訳を何とか見つけようとしていました。

でも、「私が食べたいから食べてるし、だから太ってるんだよね」と思えるようになってからは、仕事に対するスタンスも、結果が出ていないのは自分が結果を出せるまでの努力ができていないからへと変わりました。

また、自分のことを大事に扱えるようになってきて、服の選び方も「着られる服を着る」から「着たい服を着る」に変わりました。甘い物を控えたことでニキビや吹出物ができなくなり、コンシーラーなどの「隠すため」のメイクもしなくて済むようになりました。

驚いたのが、男性からの扱いが変わったこと。デパートはもちろん、図書館の警備員さんがドアを開けてくれたときは、衝撃を受けました。女性と話すときも、以前は、「もしかしてこの人は、私の顔を見てるというより、私の二重あごや肉を見てるんじゃないか?」などと被害妄想がありましたが、自分の捉え方が変わったからかもしれませんが、やせてからは目を見て話してもらえるようになったように思います。

ダイエットのコツは「無理なく続ける」こと

ダイエットのコツは、「継続できるルールをひとつつくる」こと。お肉もスイーツも我慢、炭酸飲料も禁止、お腹の肉も二の腕の肉も落としたい……では、なかなか続きません。それよりも、無理なく続けられそうなことをひとつだけ続けて、まずは自信をつけることが大切です。

私が最初に始めたのは、「駅ではエスカレーターでなくなるべく階段を使うこと」。疲れていたり、荷物が多いときには難しいから、あくまでも「なるべく」です。

あとは、カフェラテをソイラテに変える、洋菓子ではなく和菓子にする、ごはんにはこんにゃくを入れてかさ増しする、中毒性のある砂糖をやめて、フルーツやかぼちゃなどの甘い野菜にする……など、食の好みを少しずつ変化させていきましょう。

たとえば、私は焼肉のタレが大好きなのですが、厚揚げをステーキみたいにして、タレは好きなだけかけて食べていました。このように、自分が達成できそうなルールを探すのです。もし、そのルールを破り続けているのなら、そのルールは「難しい」ということなので、やめたほうがいいでしょう。

そして、自分が食べたくなる原因を理解しましょう。食べてしまうのはいつでしょうか。誰かにドタキャンされて、「自分なんていてもいなくても同じだ」と思ったとき? 彼氏が自分が期待するような行動をしてくれないとき? 主婦の方であれば、家族が残したものを食べてしまう「もったいない食い」? それとも、暇であれば食べちゃう?……など、どんな気持ちを満たしたくて、どんあときに食べてしまう癖があるかを知りましょう。

それから、自分を責めず、親友のように扱いましょう。たとえば、「飲み会で食べ過ぎちゃった、どうしよう」と落ち込んでいる親友に、何て声をかけますか?「また食べちゃったの? いつも食べ過ぎるから、デブのままなんだね! やばいね!」なんて言わないですよね。「大丈夫だよ、リカバリーできるよ」と声をかけるはず。自分に対しても、それでいいのです。

人間ですし、特に女性は月のバイオリズムもありますから、常に100%というのは難しいもの。「70%でOK」ぐらいにしておいて、ストイックになりすぎないことが大切です。

ヒット記事を量産するためのライティングのコツとは

一瞬で読者の興味を引く「具体的でキャッチーなタイトル、切り口」

次に、ライティングについてお話をします。私が意識しているのは、「一瞬で読み手が内容をイメージできる、具体的でキャッチーなタイトルや切り口を探す」こと。忙しい中でスマホで情報を見ている人たちに「この記事、おもしろそう」と思わせてクリックしてもらうには、一瞬で興味を引くようなキャッチーさが必要です。

具体的な手順としては、「ヨーグルト」「トッピング」「ローラ」「美意識」と、入れ込みたいキーワードを書き出します。そして、まずはひとつの要素だけで文をつくって、切り貼りする。
それを何回か繰り返すことで、『ローラもチョイ足し!「ヨーグルト」もっと体が喜ぶアレンジテク』というタイトルができ上がります。Googleの「goodkeyword」の機能を使い、「ヨーグルト」と一緒にどんな言葉が検索されているのかを調べるのも有効です。

あとは、独自の切り口を見つけましょう。たとえば、バレンタインにチョコレートの記事を書くときに、「バレンタインチョコレート人気ランキング」だと、独自性があまりないですよね。そこで私は、自分が好きな豆腐を使った生チョコのレシピの記事を書いたところ、ヒットしました。
最初がキャッチーならあとは読み進めてもらいやすくなるので、どういう切り口で見せるかが重要です。

読みやすい文章=そのジャンルに詳しくない人でもスラスラ読めること

読みやすい文章を書くにはまず、読者に頭を使わせないこと。「明日読もう、後で読もう」と思わせてはいけません。そのジャンルに詳しくない人でもスラスラ読めるような文章にすることが大切で、たとえば私は、美容系の記事を書いているときに、たとえば60代の男性が読んで意味がわかるかな? などという視点で文章を推敲していきます。

文章にはリズムを出しましょう。「だと言われている」「だ」「少ないはず」など、文末を変えるのも有効です。あとは、短くまとめること。自分が思った以上に細かく切ったほうが読みやすいです。

そして、文章をうまく書けるようになるには、まずは自分に合った方法で文章を書く習慣を身につけること。私の場合はアメブロでしたが、ツイッターやインスタグラムでもいいと思います。最初はハッシュタグを付けるだけでもいいし、無理なく続けられる方法を見つけましょう。

また、電車広告やニュースメディア、雑誌などで、自分が思わず引き込まれてしまった記事や見出しを分析するのも有効です。「食べながらやせる」「100%モテる」など気になったワードについて、自分がなぜ惹かれたのか、クリックしてしまったのかを考えてみましょう。

 

(画像提供:iStock.com/LightFieldStudios)

岩倉陽子(いわくらようこ)


大学卒業後、ベンチャー企業にて新規事業立ち上げに携わるが2年で会社が倒産。ベンチャー企業の経営ノウハウを知りたいと思い、シリコンバレーのベンチャーキャピタルで無給でインターンシップをする。

日本に帰国後、幅広い知識が学べるという理由から楽天株式会社で、大手広告代理店向けのマーケティングリサーチのコンサルティング営業を担当。様々なプロジェクトに関わるうちに、美容が大好きだと気づく。

美容を仕事にするためにライティングスキルを習得。現在はフリーランスの美容ライター・ブロガー、マーケティングコンサルタント。独立して幸せなことは、好きなときに好きな場所で好きな仕事ができること、朝好きな時間に起きれること、人と違っても悩まなくなったことです。

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