ゴールは我が子とセックス話!? 元ナースが教える性教育/のじまなみ

子どもの自信と笑顔を守り、性犯罪を防ぐために。大切な性教育を学校に任せていませんか。恥ずかしい? 早すぎる? そんなお母さんが我が子に始める性教育の「初めの一歩」を「パンツの教室」特別セミナーでお伝えします。

子どもの未来をつくる「パンツの教室」

学校では教えてくれないこと

現在、性教育は小学4年生でだいたい習います。ですが、卵子があって、精子があって、女の人は生理になります、男の人は夢精します、受精します、赤ちゃんになります。こういう流れのなかで、セックスについては、実はどこもふれていないんです。

公立に限りますが、教えてくれないのではなくて、教えてはいけないのです。セックスについては教えにくいから学校に任せましょう! という親御さんもいますが、文部科学省から学校で教えてはいけないことになっているので、期待してはいけません。
となると、子どもたちは悶々とするわけです。

「セックスって何?」。卵子と精子が出会って受精卵になる、ここが知りたいのに。
先生も悶々としています。なぜか? 子どもたちが悶々としているのがわかるからです。

でも、ここで勇気をもってセックスとは膣とペニスを合体させることだよと伝えた教師はクビになります。今はそんな世の中なのです。

性教育にオープンな家庭で育つ

私は11歳と8歳と2歳の3人の女の子の母親です。
もともと、すごく性にオープンな家庭に育ちました。サンデー、ジャンプ、マガジン、りぼん、エロ本、エロ本、みたいな感じで部屋にはエロ本が山積みになっていました。
そして私は父から性教育を受けました。それは何も恥ずかしいことではなくて、父は母が大好きで、大好きな結果私たちが産まれたのだということを、愛をもって教えてくれたのです。
私には双子の姉がいますが、たぶん同じように考えていると思います。私たちはすごく愛されて産まれてきたと知っているので、自己肯定感が高いです。
愛されている、あなたたちは愛をもって産まれてきたよ、そこにてもいいんだよ。
そこにいるだけで価値があると言われて育った子は強いです。そんな教育ができるのが、性教育だと私は思っています。
姉が留学したときに父に言われたのが、もし誰か大きな男が襲ってきたとき、そのときはやられておけ、ということでした。
レイプされても命があることのほうが大事だ。恥ずかしいめにあっても、君が悪いわけではないんだよ、お父さんたちは君の命ほうが大事だよと、そんな話をきちんとしてくれていました。

泌尿器科の経験がママ友の助けに

私は病院の泌尿器科というところで14年間勤めました。24歳と比較的早く長女を産んでいます。ママ友達も多いです。
泌尿器科の経験を知ったママ友にこっそり呼び出されて「ねえ、うちの子のおちんちんむけてないんだけど大丈夫?」と聞かれたり、5年生の女の子の胸を見せられて「うちの子、乳がんかもしれない」と相談されたりしました。
子どもに乳がんはほとんどないと伝えても「だってここにしこりがあるんだもん」と言うのです。お母さんのなかにもそれが乳腺の発達だと知らない人がいるのですね。
そのように相談されて安心して帰っていく姿を見て、「そうか、私が知っている情報が役立つのかもしれない」と感じました。
父からは、性教育は必要な教育で未来を変えていくものだという教えを受け継いでいました。私がみなさんに提供できることがあるのではないかという思いで「パンツの教室」を立ち上げました。

適齢期は3歳から10歳まで

そんなこと、聞かなくていい

11歳の娘が4年生のときに、ある日すごく怒って帰ってきました。「ママ、合宿開いて」と言うのです。
なぜと聞くと、仲良し5人のお母さんたちに「セックスってどうやってするの?」「私はどこから産まれたの?」と聞いてまわったそうです。おそらく学校で習ったばかりだったのでしょう。精子と卵子が合体して受精して、と。でもそのやり方はだれも教えてくれない
娘はこう怒っていました。「私たちが産まれてきたことは、恥ずかしいことなの? 否定されることなの?」どうしてそんなことを言うのかなと驚いたのですが、訳がわかりました。
5人中5人のお母さんの答えが「そんなこと、聞かなくていい」だったそうです。

今どきの子どもたちが「そんなこと、聞かなくていい」と言われたことを、どうやって調べるでしょうか。みなさんスマホを出してください。ぜひ、音を出してくださいね。
「いちゃいちゃ 動画」で検索してください。無料で開ける動画があるはずです。子どもたちが今見ているものが、どういうものかみなさんも把握してください。
こんな動画を一体何歳の子どもが見ているでしょうか。なんと年長さん、5歳の子が見ています。あれ、ひらがな書けるかな? と思いますね。今は書けなくてもサイトを開ける。「オーケー○○!」のひと言で子どもたちはどんなサイトでも見られる時代なのです。

娘には合宿をしてほしいと言われましたが、我が子には性教育をしていても、よその家の子には、なかなか言えないものです。性教育の本が図書館にも並んでいるので、そこは読んでもいいよと伝えました。
たいていのお母さんは子どもがそういうことを聞いてくると、いやな顔になります。ドキッとするのでしょうね。その顔を見ると、子どもは二度と聞いてはきません。なぜかというと、お母さんに嫌われたくないからです。お母さんに嫌われる話はしたくない、この話はタブーなんだと感じるわけです。
子どもたちが聞きたいのは、膣にペニスを入れてセックスだということではないんです。お母さんが受け止めてくれているかが知りたいのです。

性の話は思春期になる前に

性の話は10歳前にしたほうがいい。なぜかというと、わかってないから言いやすいのです。思春期の、だいたいのみなさんが話したいと思う頃というのは中学生ぐらいだと思うのですが、中学生ってどんな感じだったでしょうか。
親との会話も減っています。そんな風になってから「ねぇ、あなた彼氏いるの?」「コンドーム持ってる?」「セックスって知ってる?」って言われたら、子どもにとっては「キモ、ウザ」です。
4、5歳ぐらいのお子さんがうんち、おっぱい、ちんちんと言って困っているという方がいますね。5歳ぐらいまでの間に、僕、私はどこから産まれるの?と80%の子が聞いてくるとも言われています。そんなときにいやな顔をされると、もう聞けなくなるわけです。

そうすると、どんなことが起こるか。生理をお母さんに言えない子がどんどん増えているそうです。うちの子は大丈夫、と思わないでください。だって聞かなくていいんです、ネットで済むから。だいたいの情報はあります。
でもネットで済むかもしれないけれど、「生理」に行き着くまでにいろんなエロサイトがあるわけです。最初は「生理 初潮」かもしれないけれど「初潮 レイプした」「初潮 小学校 ドキドキ体育館」みたいなのが、次々と出てくるわけです。
本当は、生理を調べたかっただけなのにそんなおもしろキーワードがあったら見ますよね。性の情報に関してはインターネットでは正確な情報が手に入りません

性教育で大事なこと3つ

性教育で大事なことは、1、逃げない。逃げてしまうと次はないと思ってください。
2、怒らない。よくおちんちんを触っている男の子を怒っている方がいますが、怒らなくていいです。おちんちんはそこにあるから触るのです。そこに山があるのと同じです。旦那さんもよく見てください、触っていますから。
3、正直に。言われたことは全部受け止めてもらって結構です。「ありがとう! いいこと聞いてくれた」「よく知っていたね」と。
親が正直に答えてくれると、子どもたちはどうしてそう思ったか、ということを教えてくれるようになります。この「どうして」にアクションしないと、私たちも答えようがないのです。

子どもとセックス話をするために

ゴールは子どもとセックスの話

性教育のゴールは、思春期になったときに笑いながらお子さんに性の話ができること。そのために、「パンツの教室」ではセックスをお子さんに話せることをゴールとしています。
ここを話せる親子は信頼関係が築けていると思っていただいて結構です。おちんちんとかおっぱいと言われて困っているというお母さんは、逆に言ってくれてラッキー、私はこの子と信頼関係を築けていると堂々と思ってください。基本的にそういう言葉を禁止している家庭では、子どもたちはそんな言葉を発しません。
子どもは聞きます。「セックスって何?」って。何も知らないだけなんです。「どうして空は青いの?」「なんでこの電球ちょっと暗いの?」と同じ。ただ聞いてくるんです。「どうして、パパとつき合ったの?」「パパとエッチしたの?」と。
だけど、お母さんたちは答えられない。なぜかというと、大人と子どもには大きな「性」という溝があるからです。
なぜか。大人はセックスを語ることを恥ずかしいと思っています。子どもは恥ずかしいとは思っていない。この溝の正体は「大人はセックスをしたことがあるから』。
ここに恥という概念が産まれるわけです。

セックスの話をしてから初めて、命の話がでてきます。セックスの話があって、暴行とかレイプの話ができるようになる。セックスの話をして初めて、エイズの話ができる。実はセックスの話をしないと、お母さんたちが恐れている話は何ひとつできないんですよね。
ですから、セックスという言葉は性教育を山に例えると8合目。お母さんたちが本当に言いたい、相手を大切にしなさい、自分の命を大切にしなさいという話は性教育でいうと10合目の話なので、この8合目の話をみなさんに乗り越えていただきたいと思っています。

日頃からハードルを下げておく

みなさんお気づきかどうかわかりませんが、今の時点で私「セックス」と何回言ったかわかりますか。わざと言っています。こういう話は、場数次第。何度も言っているとハードルが下がってきます。こうなるまでには時間がかかるんですよ。
だから10歳になるまでにもっと早い段階から、おちんちんて何なの、おちんちんの先から何が出るの、そんな話をしていただければなと思います。
言い続けないと、結局のところいつまでたっても、セックスの話ができません。

では、まず一歩を踏み出してもらうために、どこから話していけばいいでしょうか。
セックスが言えないお母さんは、まず「交尾」が言えません。絶対に言えない。そして、愛あるカブトムシの交尾をわざと離したりするのです。子どもの教育によくないと決別させて、別の虫かごに入れたりする。そんなことでは、いつまでたっても愛の営みについては話せません。
子どもは基本的に遊びが大好きです。そして、もうひとつ大好きなのが動物です。動物が嫌いな子はいません。ですから、お母さんは動物の交尾を「理科的用語として」伝えます。交尾、セックスをしてはじめて赤ちゃんができます。
だからまず動物の交尾についてから伝えてあげると、お母さんの抵抗感が減り、性教育のレベルも少しずつ上がっていきます。「パンツの教室」3カ月アカデミーではこの動物編をたくさん取り入れています。
ただ、ひとつだけ注意してほしいことがあります。動物の世界って男の子の最後はすごく悲惨なのです。この話をすると「男って惨めだ」と男の子は感じるのですが、だからこそ「あなたは人間に産まれてよかったね」と言ってあげてください。

たとえば、カマキリのオスはメスに食べられます。ときには、交尾の最中にメスはオスの頭を食べてしまうこともある。頭を食べられたオスはそれでも交尾を続けることができるそうです。人間は食べられなくてよかったね、と話してあげてください。
そのほかにも、性転換するカクレクマノミや、結婚離婚を繰り返すオシドリ、オスがメスの一部になってしまうというチョウチンアンコウの話などなど。「パンツの教室」でも、こういう話から性教育を明るく展開しています。

一番伝えたい、防犯の話

性教育を受けていない子が狙われる

今、年間にだいたいどれくらい性被害にあう子がいるのか。うちは男の子だから大丈夫、と思うお母さんもいると思いますが、実は13歳未満のお子さんは、男の子も女の子も性犯罪にあう確率は同じと言われています。なので、うちは男の子だから大丈夫、と決して思わないでください。
性犯罪者の多くは、どういう人を狙うと思いますか。刑務所のなかで性犯罪者にとったアンケートによると、性教育を受けていない人を狙うそうです。なぜか。性教育を受けている子は、性器の名前が言えるのです。性器の名前が言える子は、防犯の話をたくさんされています。ここを触られたら逃げなさいと教えられている。
では実際どういう子を狙っているかというと、すごく明るい子とか暗い子、ではない。自分と似た子を選んでいるそうです。自分と似た子は、性教育を受けていないとぱっと見てわかるそうです。
実は、私はこうして700人以上セミナーでお話を聞いていますが、防犯について何も話をしていない家庭が7割という印象です。子どもと防犯の話をしていないということは犯罪にあう率も高いということなのです。

身近な人とどう接するかが鍵

性犯罪の多くは身近な人に受けています。基本的に子どもたちは幼稚園でも、小学校、中学校でも知らない人に対する防犯の話はされるのでよく知っています。
加えて親である私たちがどういう声かけをしていかないといけないかというと、身近な大人にどう接するかということなのです。「パンツの教室」ではここを重点的に話しています。
大切なのは、ついて行っていい大人を決めることです。知らない人について行ってはいけないよ、と言っても大人と子どもで「知らない人」の認識が違いますよね。ですから、ついて行っていい大人を5人決める。自分を含めてです。
これは、学童などでお迎えに行けないというときにお願いする近所のママ友さんなどではありません。本当に緊急なことがあったとき、例えば、自分が今ここで倒れてしまったとき、誰にお迎えを頼むかということです。
ご近所にいるならおじいちゃん、おばあちゃん。私の場合は、姉や姉の夫。本当に信用ができるママ友など。その旦那さんともすごく仲がいいけれどダメとか。
車に乗っていい人もしかり。例えば、雨のときに何何ちゃんのママやパパが、どうせ駅まで行くから塾まで乗っていっていいよと声をかけてくれたとする。
そういうときは、その方から一度私に電話をしてもらう約束をしています。それでOKだったら、初めて乗ってもいいよと伝えています。
ぜひ、親子で「5人」を決めておいてください。

 

(画像提供:iStock.com/PeopleImages)



とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー主宰
のじま なみ

11歳、8歳、2歳の3人姉妹の母。
泌尿器科看護師を経て、14年病院勤務

長女を出産後子供たちの【性教育】に関する相談を沢山うけるようになる。
『内に閉じこもりがちな性教育をもっと、明るく、開放的に子供たちと向きあえるようになってほしい。』

『愛と命を大切に、自分に自信をもって歩める子供たちを増やしたい』

そんな思いから2017年、とにかく明るい性教育【パンツの教室】を主宰し、お母さんたちを応援するようになる。

8カ月で国内外から250名以上が参加する人気セミナーを立ち上げる。

現在は性教育を通して、メルマガ、セミナー、3か月アカデミーを開催しながら多くの親子の性教育のサポートに従事している。

 

 


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